「スピーチやプレゼンがうまくなりたい」という人は多いでしょう。私自身、「ストーリーテリング」を勉強し、お伝えする中で「伝えたい内容をいかに効果的に伝えるか」について考えるようになりました。また、仕事やプライベートで、人前で発表をする機会がありますが、その時に話の構成方法や伝え方のスキル面で「もう少し上手に話せると良いのにな」「今のは〇〇が足りなかったな」と思ったこともしばしば。
そして、一つのことがクリアできても、「また次の課題」が生まれます。全体をカバーする「スピーチのマニュアル」や「チェックリスト」があれば良いのに、と思いましたが、意外にも「スピーチ原稿の作り方」「話し方」などについて、単体で示したものはあるのですが、いわゆる「効果的なスピーチの仕方」全体を網羅したものを見つけることができませんでした。
今日はそんな中で、自分なりに情報収集をして、学んだことを体系的にまとめ、アウトプットしたいと思います。
スピーチを構成する要素として「内容」、「構成」、「話し方」に分けてみました。本日その中で「内容」と「構成」についてご紹介します。
内容: 言葉に命を吹き込む4つの要素
スピーチ原稿の4大要素として以下が挙げられます。
①一貫性:話に一貫性があるか?
②メッセージ性:メッセージ性はあるか?(自分は聞き手の何を、社会の何を解決できるのか?
③事実:どんな事実が伝えられるか?
④ストーリー:どんなストーリーがあるか?(③の事実を裏付ける)
①一貫性については、伝えたい話の筋が通ったものである必要があります。まずは書きたいことをつらつらと書き出してみて、その中で「もっとも伝えたいこと」、そこに行きつくまでの流れをざっと考えます。
②メッセージ性としては、「もっとも伝えたいことは何か」を考えます。こちらも①と連動していることが大事です。
③事実として、具体的な数字や効果など、「誰が聞いても共通の認識が持てる」ことを伝えます。
④ストーリーとして、自分独自の経験、そこからの学びなどを伝えます。このストーリーは③の事実が生きる内容であるとより効果的です。例えば「人は太陽の光を浴びないと、鬱のような症状を発症することがあります」という事実があるとします。これを裏付けるストーリーとして、「3年前、私は1ヶ月間入院をした経験がありました。その時は自由に歩くこともできず、ずっと狭い病室に閉じこもっていた私は、次第に部屋の外を出たり、人と話すことが億劫になりました。今思うと、自分の世界が狭い病室の一室に限定されてしまったような、光の見えない時期が永遠に続くような錯覚に陥っていたのだと思います」というように。自らの具体的な経験を伝えることで、③の事実を補完し、より聞き手の印象に残る効果があります。
まずは、これら4つの点を意識してスピーチの原稿を作成していきましょう。
構成:聞き手に「目的地」を示し、導く
次に必要なのは構成です。
① 方向性:最初に「これから何について話すか」を伝える。
② 理由:Why-How-Whatの順で「なぜ自分はそれをやりたいのか」を伝える。
③ 結論:「私はあなたの何を解決できるのか」で締める(①を受けて)。」
①方向性については、スピーチを「地図」に例えると、聞き手に目的地(伝えたいこと)を示してあげる必要があります。最初にそれを伝えることで、聞き手はあなたが「何について話すのか」を安心して聞くことができます。ここを伝えないまま話し始めてしまうと、聞き手は「一体今日は何について話してくれるのだろう?」という目的地の定まらないバスに乗っているようなもので、不安になります。
②の理由は「あなたがなぜ、それをやっているのか、伝えたいのか」を明確にすることです。
以前、「ゴールデンサークル理論」についてお伝えしましたが、人はあなたが「何をやって(扱って)いるのか」よりも「なぜ、それをやって(扱って)いるのか」、「そのためにどんなことを心がけて実践しているのか」を伝えた方が、ダイレクトに感情が動きます。
例えば、あなたが最初に「私は高齢者向けのお部屋片づけサービスを提供しています」というよりも、「私の周りには幼少期から祖父母など、常に高齢者の存在がありました。そんな中で感じたことは『人は年を取ると片付けが苦手になる傾向にある。特に自分のこだわりのものへの執着が強くなる』ということに気づきました。以前の私は~」というように、「あなたが」それをやっている理由(Why)を伝えます。
そして、「サービスを提供する上で私が心掛けていることは、必ず事前に依頼者お一人お一人としっかり対話をし、ニーズを伺うことです」というあなたならではの取り組み方、こだわりポイント(How)を伝えた上で、最後に商品・サービスの紹介(What)をします。この順番で伝えることで、聞き手の納得感が生まれ、(数多くある同様のサービスの中で)あなたが扱っているサービス(高齢者向けのサービス)への関心が高まります。
そして、最後に「③結論」として、改めて、あなたが「もっとも伝えたいこと」を伝えます。ここで大事なポイントは「そのことによって、聞き手にどういうメリットがあるのか」という点です。つまり「私はあなたの何を(どういう問題を)解決できるのか」という内容だと、聞き手にもメリットがあり、話がスッと入ってきます。話しはじめに「①話の方向性(何について話すか)」を示していますが、「③結論」ではそれを受けて、まとめる形で締めくくると、聞き手も「スピーチという地図の目的地に無事到着した」印象となり、スッキリ聞き終えることができます。スピーチを構成する時は、最初に今回の「目的地」を示すこと、最後には「目的地に到着すること」を心がけて下さいね。
あなたのスピーチのドラフトを作成!~オリジナル「GPTs」
(こちらはChat GPT4.0限定のサービスとなりますが)
今回ご紹介したスピーチ原稿の「叩き台」を作る目的として、以下スピーチ原稿作成用のオリジナルのGPTsを作成してみました。前回は「ショートストーリー作成」用のGPTを作成しましたが、今回は「スピーチ原稿」にフォーカスを当てて作成しています。「ショートストーリー」同様、一つずつ質問に答えていく形式で、最後にあなたのスピーチ原稿が完成します。
英語表記になっていますが、最初に一言入れていただき、「何語を希望しますか?」という問いに「日本語」と回答いただくと、その後の質問は日本語で表示されます。
もちろん、完成した原稿の満足いかない点には遠慮なくダメ出しいただくと、修正してもらうこともできますので、一度触ってみていただけると嬉しいです(内容、トーン、長短など細かくご指示いただければいただくほどそれに沿って改善します)。
あなたが日常で、いつでも簡単なスピーチがサッとできるようになることを願って。
次回はスピーチの実践に役立つ「話し方」についてご紹介します。
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