ストーリーテリングについて語るブログ

「伝わる」自己紹介とは?

私たちは子供の時から今に至るまで、実に多くの数の「自己紹介」をする場を体験してきています。今回はこの「自己紹介」について、その基本とより聞き手に伝わる紹介の仕方について、書いてみたいと思います。

基本は過去~現在~未来

あなたが自己紹介をする上でまず基本となる情報は「あなたが以前どういう経験をして(過去)、現在何をしていて(現在)、今後どうしたいか(未来)」という点です。この3点を時系列で伝えると、人はあなたが大体何をやっている人なのかを掴むことができます。

① あなたは(名前・職業/活動)
② 過去(もともとやっていたこと、なぜこれをやっているか)
③ 現在(今やっていること。抱えている課題など)
④ 未来(今後やりたいこと、目標)

例えば以下のような感じです。

① 私は〇〇です。東京で子供向けの英会話教室をしています。

②、③ 学生時代にアメリカに留学し、英語にはずっと興味を持っていましたが、自分で子供を持つようになり、長年の夢だった英語教室を2年前から始めました。

 ④私の夢は今後英語で自由にコミュニケーションをする子供たちが増えることです。

こんな風に過去~現在~未来で自分のこれまでの経験と今後の夢について語っています(これを膨らませて、ストーリーにすることもできますが、ここではその説明は省きます)。

「聞き手の頭の中」を想像して話す

 先ほどの例ではあなたが自分自身を振り返り、過去~現在~未来について語っています。通常の自己紹介であればそれでも十分なのですが、もしあなたがより聞き手に響く伝え方をしたいのであれば、もう1歩踏み込んだアプローチが有効です。

ここで有効なのは、「聞き手の頭の中」を想像することです。相手があなたの話を聞いて疑問に思うであろうこと、知りたいと思われるであろう情報を予め想像して、付け加えると、よりストレートに相手の心に伝えることができます。

例えば上記の例を「自分の子供たちに英会話を学ばせたい」と感じている親御さんたちに向けて話すとしたら、どんな言葉を付け加えれば良いでしょうか?

親御さんたちの「頭の中」を想像してみます。

・「この先生のところに通うと、どんな変化があるんだろう?」
・「モチベーションがないと、長続きしないんじゃないかなぁ・・・」
・「英語学校って、英語を実際に使う機会がないと意味ないのでは?」

 では「こうした疑問を最初から解消する伝え方」で自己紹介をしたらどうなるでしょうか?

例えば、こんな言葉を付け加えます。

「小さな子供が英語をやったって長続きするのかな?」私も以前はこんな風に考えていました。そこで、毎週教室に行きたくなるような仕組みを考えたのです。私の教室の「〇〇メソッド」はアプリと連動していて、練習をすると自分でストーリーを作っていける仕組みなっています。生徒さん達は早くお話の続きを作りたいので、自然と宿題も自発的にやるようになります。」

「英語って実際に海外に行って使わないと意味がない」と思いますよね。そこで私の教室では定期的に外国人のお子さん達との交流の場を設けています。例えばハロウィーンには~」

また、「何も思い浮かばない」という時でも、「聞き手と自分の共通点」について話すことも有効です。例えば、「私自身も小学生の母親です」とか、「実はこの町に住んで〇年になります」というような 言葉を入れることで、聞き手との距離がグッと縮まります。あなた自身もセミナーなどで、冒頭に講師が自分との共通点を話してくれて、グッと親近感が湧くというような経験はありませんか?

このように、予め聞き手(この場合は親御さん)の頭の中を想像し、疑問を解消する、もしくは相手と自分との距離を縮めることを意識して話します。こうすることで、「あなたの話すこと」と「相手の頭の中」とのギャップが限りなく少ない状態で、あなたの話を伝えることができます。自己紹介をする時は是非、このことを心がけてやってみて下さいね。

聞き手の頭の中に「?」を残さない

実は今ご紹介したことは「自己紹介」だけに限らず、全ての話に共通します。あなたが商品やサービスを紹介したい時は「あなたの頭にある知識」だけでなく、「相手が知りたいであろうこと」にも思いを馳せ、できるだけ聞き手の頭の中に「?」を残さないように話をすることを心がけてみて下さい。

では、もしあなたが「シニア向けにサブスク制の英会話教室」を経営しているとしましょう。シニア世代には「サブスク」という言葉自体になじみがない人もいるでしょう。そんな時はこんな風に説明します。

「皆さんの中でスポーツクラブに入っている方はいますか?スポーツクラブは月会費を払ったら、何回行っても料金は同じですよね。ジムのマシンを使っても、お風呂だけ入りに行っても、料金は同じそれ以上かかりません。この教室もそれと同じで、何回来ていただいても良いんです。」

「サブスク」という言葉は知らなくても、「スポーツクラブ」は知っていますよね。そして、スポーツクラブに月何回行っても料金が変わらないことも知っていますので、その例を使って説明します。つまり、聞き手の頭の中を想像し、「相手の知っているであろうたとえ」に置き換えて説明するのです。

また、生成AIの[ChatGPT」をよく知らない人にその便利さを伝えるとしたら、私はこんな風に紹介します。

ChatGPTはあなたの優秀な秘書のようなものです」

「ChatGPTはあなたの質問やリクエストに即座に答え、提案までしてくれます。さらに、現在はあなたの好みをカスタマイズする機能もありますので、それをあらかじめ設定しておけば、まさにあなたの『専属秘書』にもなってくれるんです。」

「秘書」や「専属秘書」のような例を用いることで、相手により想像してもらいやすくなり、自分に置き換えた場合のメリットを感じてもらうことができます。

上記2つの例をご紹介しましたが、ポイントとしては、「聞き手の頭の中に『?』を残さないよう、想像しやすい例えや言葉を選ぶ」ことが大切です。

皆さんも自己紹介や何か自分のやっていることを紹介する時、このことを心がけてみて下さいね。相手の理解度が増し、反応してもらえることが増えること間違いなしです。


4/28(日)21:00~「『相手に届く!自己紹介』を作ろう!」というワークショップを行います(5月~開始する「伝わる!スピーチ道場」の体験会を兼ねたイベントです)。実際に自己紹介作っていただき、フィードバックも行います。もしご興味ありましたら、是非ご参加下さい。

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この記事を書いた人

米・ニューヨーク在住。ストーリーを使った「ストーリートーキングⓇ講座」認定講師。スピーチコミュニティ「伝わる!スピーチ道場」主宰。
こちらのブログでは「ストーリーテリング」、「スピーチ」を中心に、書くことで人の強みを発掘し、話すことで相手の心を掴む話し方、をテーマに書いています。

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