私がこれまでの経験、学びの中で重要だと思い、さらに学びたいと思っていることは「自分の思い」や「やりたいこと」をきちんと言語化する、ということです。
私は幼少期から本を読んだり、文章を書くことが好きでした。社会人になってからも小説を中心に好きな作家のものを読み続けました。そこから学んだ思想は自分のその後の人生の血となり、肉となって生きています。その後30代で結婚、出産を経る中で、仕事はずっと続けていましたが、いつしか手にする本はビジネス書、実用書が中心になっていきました。
そんな私が社会人生活25年以上を経て、2度目の自身の海外駐在でニューヨークに行くことになりました。
ニューヨークに来た時、何か自分の中で今後第二の人生に向けて、何かを学びたいと思っていました。そんな中で試行錯誤の末、日本とオンラインで繋がりながら学び実践しているのがブログを書くこと、本や物事に関するコピーやレビューを書くこと、ストーリーテリング、という技術でした。いずれも共通するのは「言葉を用いて人々に届くメッセージを伝える」ということです。主に仕事のない週末が中心ですが、これらの作業をする時間は何時間でも没頭することができ、自分の原点はやはり「書くこと」なんだと改めて思い至りました。
人は誰でも心の中に秘めた想い、伝えたい考えがあります。ただし、それを正しく人に伝えられているか?というと答えは「No」だと思います。日本人は特に、何でも言葉にすることを良しとせず、言外の想いを汲み取って「察する」という文化があります。でも、それでは海外では往々にして通用しないことが多いです。通算10年以上に渡る海外生活の中で、私は日本流の「言外での理解」を相手に求めたことで、数々の失敗をしてきました。そして、アメリカのような多言語、多人種の国では特に、「言葉にしないと伝わらない」ことを痛感しています。
それと共に、私たちの心の中にある「思い」も上辺だけの言葉ではなく、きちんと「言語化」して「言葉」としてアウトプットすることで、「思い」とその先の「行動」を繋げることができるということを学びました。コピーライターの梅田悟司さんは『「言葉にできる」は武器になる。』の中で言葉には「外に向かう言葉(他者との意思疎通の際に用いられる言葉)」と「内なる言葉(感情や気持ちとともに生まれる言葉)」2種類があり、多くの人が「外に向かう言葉」しか意識できていない実態について書かれています。
その上で、この「内なる言葉」と向き合い、言語化することの大切さについて紹介し、「言葉」を介することによって、初めて思いと行動が繋がることが書かれています。つまり、自分自身が考えていることややりたいことがあったとしても、言葉が伴わないと行動も曖昧になってしまうのです(私たちの多くが、やりたいことがあっても、行動が伴わないのはこの「言葉の欠如」に原因があるようです)。逆に言葉で表現することで、考えていることが明確になり、行動に移しやすくなります。
これらを受け、私がこれまでの海外生活の中で体感してきた「思いを言葉にして伝える大切さ」に加え、「心の中の『内なる言葉』をきちんと言語化する」プロセスを体系化し、皆さんにお伝えできたら良いなと思うようになりました。
「内なる言葉」の言語化については色々な方法が考えられると思いますが、私が有効だと思う方法の一つは、『ゼロ秒思考』の赤羽雄二さんが提唱する「A4 メモ書き」です。私も実際に赤羽さんの学びを受けている一人ですが、心の中の思考を1分間でA4のメモにざっと書き出すという方法を取ります。人間どんな人でも頭の中がモヤモヤしたり、悩みで頭がいっぱいのことがあると思います。そうした思いを無心になって、1分間×10枚程度、書き巡らすことで、頭の中のワーキングメモリが空き、新たな思考ができるようになります。
皆さんも日頃何気なく考えていること、頭の中に漠然とあること、をまずは紙に書き出してみませんか?書くことで思考が整理され、新たな行動に繋がるのではないかと思います。そして、そこから出てきた言葉をどう言語化し、ブラッシュアップしていくかについては、今後ご紹介していきたいと思います。
「心の中」を言語化するということ(その②)~「内なる言葉」と向き合うに続く。
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