今日はビジネスや日常の場でよく遭遇する「伝えたいことが伝わらない」という問題に焦点を当てます。職場における普段の会話やプレゼン、会議の場で自分の考えをしっかりと相手に理解してもらいたいですよね。逆に「話がゴチャゴチャしている」、「何を言いたいかわからない」とは誰しも言われたくないもの・・・。そのために有効な手法が「PREP法」です。
PREP法とは?
ビジネスの場でのコミュニケーションは、複雑です。多くの情報や考えが飛び交い、その中で自分のポイントを明確に伝えるのは容易ではありません。ここでPREP法が役立ちます。PREP法は、Point(ポイント)、Reason(理由)、Example(例)、Point(ポイント)の頭文字を取って名付けられた手法です。この4つのステップで、ロジカルかつ効果的に自分の考えを伝えることができます。この手法を使うと、話のポイントを明確にし、多くの人に価値を理解してもらえるようになります。
PREP法のメリット
PREP法を使う最大のメリットは、話の始まりと終わりを「結論」でサンドイッチすることにより、話し手が「何を言いたいのか」がわかりやすい、という点です。これにより、話し手は考える習慣がつきますし、聞く側はストレスが減り、より効果的なコミュニケーションが可能になります。加えて、時間のロスも防ぐことができます。
一方で、PREP法を使わないと、話が飛び跳ねてしまいがちです。結論が最後に来たり、理由が不明瞭であったりと、聞き手は混乱してしまいます。その結果、重要なポイントが埋もれてしまい、効果的なコミュニケーションが難しくなります。
例えば、職場で上司に報告事項があった時など、こんな風に使います。
・先日ご質問いただいていた調査会社比較の件、結論から言うとA社を選択した方が良いと思います(Point)
・理由は、A社は我々のセクターの調査経験が豊富で、実績もあります。一方、B社の方はまだ業界での経験があまり多くなく、担当者により調査結果にもムラがあるようです。(Reason)
・実際に直近でA社を利用した隣部署からは、「A社を利用した際は豊富な過去事例があるため、ヒアリング先も多く、その点でもメリットがあった」と聞いています。(Example)
・ですので、やはり今回はA社を選択するべきだと思います。(Point)
仮にこれをPREP法を意識せずに説明した場合、こんな風になります。
「先日ご質問のあった調査会社の比較ですが、A社の方は~ですが、B社の方は~なんです。もしB社にして担当者の質が悪かった場合、困ってしまいますよね・・・。でもA社は業界内でも評判がいいようです。A社は我々のセクターの調査経験が豊富なんですよね。でもB社はあまり実績が多くないし、以前使ったところは担当者によって質が違うと聞きました。あ、A社は隣部署も使って良かったと言っていました。だから・・・A社がいいような気がします。」
言いたいことはわかりますが、ちょっと話がゴチャゴチャしますよね。
あらゆる場で有効!
このPREP法、仕事の場ではもちろんですが、学校、病院、各種活動の場など、あらゆる場で使うことができます。「結論から先に」はビジネスでもよく言われることですが、それを裏付ける理由、例、そしてまた結論を再確認する、というプロセスで、どんな場でも、より話が伝わりやすくなります。
例えば熱中症で具合が悪くなった子供の症状を伝える場合も、こんな風に伝えるとお医者さんも状況が的確にわかります。「発熱して体がだるいようです。昨日炎天下であまり水分を取らず歩き回っていたのが原因かもしれません。症状としては立ち上がると目が回り、頭がクラクラするのだそうです。こんな状況で身体が熱を持ってだるいようです。」
これは自分の症状を伝える時にも使えますね。「結論~理由~例~結論」の順で頭に入れておくと、相手も瞬時で状況が分かります。「慌てた時ほど」このPREP法の順番を頭に入れておいてくださいね。これだけで「何を言っているかわからない」と言われることが減り、相手にも伝わりやすく、おまけにあなた自身も理路整然とした印象を与えることができます。
ちょっと話がゴチャゴチャしそうな時ほど、この「PREP法」を意識してみて下さいね!
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