スピーチや自分のやっていることを紹介をする上で欠かせないのが「あなたが何者であるか」という「肩書き」。その時に、できれば、「その他大勢」ではなく、人の印象に残ったり、後でも記憶してもらえるような紹介ができると良いですよね。
では、そのためにはどんなことを心がけたら良いのでしょうか?今日は私たちがどのようにして、色々な要素を組み合わせ、自分を価値のある存在にできるか、ということについて書きたいと思います。キーワードは「掛け算」です。
自分の「顔」はいくつある?
あなたの社会人としての肩書が「会社員」だとします。でも、通常はそれ「だけ」の人は少ないですよね。会社員であるとともに、妻であり、母親であり(つまりワーキングマザー)、お習字の資格を持っているかもしれない。テニスが趣味かもしれない。そうすると、それだけで4つ、5つの「顔」があることになります。そして、これを掛け合わせると、ただの「会社員」ではなくなるんです。
例えば、ビジネスと習字の才能を掛け合わせたら、もしかしたら習字の美的センスを生かしたプレゼン資料やロゴが作れるかもしれません。ワーキングマザーと会社員を合わせたら、忙しい中の子育てで培われた時間管理、タスク管理の才能が発揮できますよね。それから、会社員とワーキングマザーの経験を生かして、PTAの役員やコミュニティのリーダーの仕事をしている人も多いでしょう。これらにもう一つ、PCなど別のスキルがあればなお、強いですね。
「掛け算」が価値を生み出す
こんな風にあなたが持っている複数の「顔」と他の「顔」を掛け合わせると、あなたの希少価値を出すことができます。実はこれはストーリーを作る時も一緒なんです。
上の例で言うと、平日は会社員のあなたが副業でお習字教室をやっているとしたら、「平日は会社員として働き、週末だけひっそりと大人向けの習字教室をしています。平日はお仕事で通えない遠方の方もゆっくり、おしゃべりをするつもりで遊びに来て下さい。型にとらわれず、自由に書く『大人の書道教室』です。書で日頃のストレスを忘れましょう」と聞くと、何だかちょっと、特別感がありませんか?
また「ワーキングマザー」ということを生かして、「週1回だけ平日の夜に親子で通えるお習字教室」というようなアイディアも出すことができますね。「ここでは、通常のお教室と違って、ワイワイおしゃべりしながら、お習字を楽しみましょう」というメッセージを出せば、平日の昼間は通わせられないけど、自分も一緒に習いながらお習字ができるな、という新たなニーズも発掘できるかもしれません。
ストーリーで語るメリットとして、一般に言われているのが「記憶に残る、共感される、行動を喚起する」ということですが、上のように掛け合わせで紹介すると、「近所の書道教室」が「癒しの書道教室」、「親子で保育園のお迎え帰りに通える書道教室」というカテゴリーとして、それがマッチした人の記憶に残り、共感され、「行ってみようかな」という気になってもらうことができます。
私の例で言うと、ニューヨーク在住、駐在員、中高生の母、夫は(期間限定の)専業主夫、ブロガー、ストーリーテリングを学んでいる人、スピーチの勉強会をしている人、など色々な「顔」があります。なのですが、これまであまり、それらを組み合わせて考える発想はありませんでした。でも、最近はこの「掛け算」ということに少しずつ目を向けるようになりました。
例えば、私自身はストーリーテリングや話し方を学ぶ中で、教える方も話す方も「もっと実践の場が必要だな」、という思いと「人にフィードバックするのが結構得意かもしれない(自画自賛です)」、ということから始めたのが「スピーチ勉強会」でした。
それから、私はもともと文章を書くもが好きですし、人の話を聞いて、人の魅力を引き出したり、それを言語化することもすごく興味があります。それとストーリーを掛け合わせて、何かの形で人に喜ばれるアウトプットができないかな?ということも模索中です。そうやって未来のことを考えるのはワクワクしますね!「最初の一歩」を踏み出そう
最初の一歩を踏み出そう
そして、もしあなたもこの「掛け算」で何かを見つけたら、まず「最初の一歩」を踏み出すことが大切です。最初は誰でもドキドキします。「今さら」とか「わざわざ自分がやる必要はないかな?」という弱気な気持ちが出てきます。私も、ストーリーテリングのことをClubhouseで発表させてもらったり、「スピーチ勉強会」で初めて講師を務めた時は勇気が要りました。
それまで、コミュニティ内で内輪の勉強会を開催した経験はあったのですが、「もう一段上」の覚悟が必要でした。でも、一度やってみると、だいぶ上からその時の自分を見下ろせるようになった感があります。そして、その後に続く、2つ目、3つ目の「一歩」は今ほどは構えずにできるるようになっています。少しずつハードルが下がっていくようなイメージです。
皆さんも、自分の中に眠る才能や特技、経験を掛け合わせて、「新しい自分」を見つけてみませんか。そして、勇気を出して、今いるところから飛び出してみませんか?もしかしたら私たちの日常は、こうした「掛け算」の連続なのかもしれませんね。
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