昨日はオペラ鑑賞に行ってきました。オペラっていうと、高いチケット代を払い、かなり正装をしてかしこまって行く、というイメージがあるかもしれませんが、私はもっと気軽な感覚で行っています。
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ここニューヨークでオペラと言えば、Metroporitan Opera House(通称MET)。私の場合、シーズン初めから予約することもありますが、大抵は数日前にサイトを見て、安いチケットだと40ドル台で買うこともあります。もちろん、1Fのオーケストラ席で見るのは迫力がありますが、お値段もそれなりにしますし、途中で退席もなかなかしにくいものです(私の場合、電車の時間があるので)。だから、自分のペースで一番上のFamily Circle席や両側のBox席から見るのも気軽で、それはそれで良いものです。
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私の通常のパターンは仕事を終えて、開演30分前に急いでMETに向かう、という感じです。時間に余裕があれば職場から歩きますし、ない時(こっちがほとんど)は地下鉄に乗るとドアツードアで20分くらいで到着します。お腹がすくので途中のデリで簡単な食べ物を買い、休憩時間に食べます。METは席数が多く、複雑に分かれているので自分の席に最初からたどり着けることはまずありませんが、各階にいる複数のコンシェルジュの人たちが皆親切に誘導してくれます。
開演後~休憩時間
開演するとまず最初にオーケストラのConductor(指揮者)からの挨拶。その後幕が開いて始まります。オペラはドイツ語、イタリア語、フランス語など色々な言語で演じられますが、字幕のモニターが各席の前についています。これは大体どこのオペラハウスも共通でしょう。残念ながら日本語はありませんが。
開幕後、大体1時間半くらい過ぎると最初のIntermission(休憩時間)があります。大体30~40分くらいと長いので(この間に舞台装置の入れ替えなどが行われています)この間にお手洗いに行ったり(休憩直後は長蛇の列が続きますので、少し後がお勧め)、食事をしたり、カクテルを飲んだりします。私の場合、大抵一人で行くことが多いので、一旦外に出て、持ってきた軽食をつまむことが多いです。それでも時間が余るので、ゆっくり階段を上がって、来場者の人たちを観察しながら自分の席に戻ります。
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正装してきた人、私のように仕事帰りの人、海外からの観光客など、色々な人たちがいるので、それを見るのも楽しみの一つです。METには食事をする場所もあって、ここは予約制なのですが、いつか正装して、こんなところで優雅にDinnerしたいな、と思っています。
現代版『Carmen』は?
さて、今回見たのは何か、まだお話ししていませんでした。演目は『Carmen』。もともとスペイン・セビリアが舞台のたばこ工場で働くカルメンとカルメンに恋する兵士ドン・ホセ、恋敵の闘牛士エスカミリョなどが登場するお話ですが、現代風にアレンジされた今シーズン初めての試み(New Productionと言います)です。舞台がアメリカの現代になっていて、闘牛士がロデオのカウボーイになっていたり、衣装も現代風ですが、それほど違和感はありません。今回Carmenを演じたClemantineさんはもう10年以上Carmenを演じているとのことで、Carmenの気まぐれな性格を声の幅で表現していました。
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Carmen と言えばだれもが一度は聞いたことのある名曲がいくつもあります。「前奏曲(闘牛士)」「闘牛士の歌」や「ハバネラ」など。オーケストラと劇と両方楽しめるもオペラの醍醐味です!言語はフランス語。一応わかるはずですが、歌になっていると、もはや何語でも関係なく、字幕をチラチラ見ながら理解します(苦笑)。
日本からもMETのオペラが楽しめる!
「オペラって難しそう」「敷居高そう」と思ったあなた、こんな風に結構気軽に観に行くことができます。私ももともとは昔パリに住んでいた頃、詳しい人にレクチャーしてもらったことがきっかけでした。そんなことでもなければ、今でもオペラ鑑賞なんてしていなかったかもしれません。きっかけは何でも良いのですが、色々な文化の一つとして、関心を持っていただければ嬉しいです。チケットは40ドル台からありますし、日本の新国立劇場でも一番安いお席は7,000円台からあるようです!
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この歴史的な円安の時代になかなか「そうだ、ニューヨーク行ってみよう!」とは思えないかもしれませんが、今はライブビューイングもあり、世界の作品を気軽に日本で見ることができるんですよ。是非映画を見るような感覚で、好きな飲み物片手に一度お試しを!
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