日々の生活の中で、「何を話して良いか分からない」と感じることは誰にでもあります。親しい仲間との会話でさえ、時には新鮮な話題を見つけるのが難しいと感じるかもしれません。今日はそんなあなたに、ネタ作りに困ることなく、話題を提供し続けられるコツについてお話しします。
「仕入れ」と「加工」
以前、「話すための書く」についてご紹介しました。人は普段心の中に無数の感情が浮かんでは消えていますが、そういう言葉たちは言語化しない限り、消えてなくなってしまいます。
あなたの「経験、感情を言語化して、それを伝える」、ごくごく当たり前のようなことですが、それができないまま消えてなくなるケースの何と多いことか・・・。
『人を惹きつける話し方』の筆者、佐藤政樹さんは、ご著書の中で自分の話題を伝える方法を「仕入れと加工」と表現しています。ただ情報や体験(自分のネタ)を集めるだけでなく、それを独自に加工し、伝えるという考え方です。
例えばこんな感じです。
【コンテンツ】本の影響を受けてジョギングを始めた。
【気づき】朝から体を動かすと気持ちが良い。
【自分のストーリー】そこから走ることを習慣化した。走らない日はフォーマンスが上がらない、気分がスッキリしない、と変化を感じるようになった。
【根拠】実際に運動をすることによるメリットとして、集中力の向上、ストレスの軽減、創造性の向上などは科学的にも実証されている。
【展開】毎日の運動は脳と身体双方にメリットがある。是非、日々の生活に取り入れてみて欲しい。
もともと「ジョギングを始めて、体調、気分が良い」というあなた自身の状況に、あなたのストーリー、データの裏付け、抽象化した説明(運動の効果に関して)を加えることで、聞き手にも「自分もやってみようかな」という気になってもらうことができます。
日常すべてがネタになる!
それでもあなたは「私なんて、毎日が平凡で話すようなことがないよ」と感じるかもしれません。でも、実は日常の小さな出来事も、よく見れば興味深い話のネタに溢れています。例えば、あなた自身のことでなくても、「ニュースで見た雪の風景を見て感じたこと」であれば、そこからあなたの経験(例:雪が降った日に歩きにくかったことなど)、教訓(雪の翌日はスニーカーに限る、など)をプラスすることで、聞き手にも「へぇー」と参考になる話に変えることができます。もしかしたら、聞き手も「実は私も故郷が雪国で~」などと思わぬ話題の提供の機会にもなるかもしれません。
さらに、同じネタでも、持ち時間や場面に応じて内容を調整することも大切です。短い時間でサクッと伝えられる「1分バージョン」から、もっと深堀りして話せる「3分バージョン」、聞き手が家族や友人か、オフィスの同僚かによって変える「場面別バージョン」など、自在に調節できると良いですね。
「話のネタの作り方」は、日常の中で感じたこと、経験したことを言葉にする(=言語化)ことから始まります。それに自分なりの視点や感情を加えることで、さらに他の人とも共有できる価値あるストーリーに変えることができます。このプロセスを繰り返すことで、あなたの話は聞き手にとって新鮮で興味深いものになり、会話がより豊かになります。
季節の変わり目に感じる空気の変化、街角で見かけたユニークなファッション、読んだ本から得た新しい知識や気づきなど、日々の生活は話のネタで溢れています。これらを意識して言語化し、自分なりの解釈や感想を加えることから始めてみましょう。日記やメモ、ブログも良いですね。そうすることで、いざという時に話のネタに困ることが少なくなります。
「ストーリーって難しい」、「日常にそんなに波乱万丈なことばかり、あるわけじゃないし」というあなたも、こうして日々の生活すべてがネタになります。あなたのふと感じた「これって〇〇だなぁ」を生かしていきませんか?
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