ストーリーテリングについて語るブログ

緊張とうまく付き合う方法

前回は「印象的な締めくくり方」についてお話ししました。今日は、多くの方が悩む「緊張」について、その対処法をお伝えします。

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私も以前は、人前で話すたびに手が震え、声が上ずっていました。でも、少しずつ意識するポイントを変えて行くことで、緊張を意識することが減っていきました。「緊張」をしないわけではないのですが、それを味方にすることができるようになった感じです。

今日は、私が効果的と感じた3つの転換ポイントについて、お伝えします。

「見られている」から「伝えたい」へ

私たちが緊張するのは、「周りの目が気になって」、「批判されるのではないかと心配で」、「間違えたらどうしようと不安」だからです。つまり、「見られている」という意識が強すぎるんですね。

でも、実は聴衆はそこまで私たちを批判的に見ているわけではありません。むしろ、あなたの話を聞きたいと思って来てくれていることがほとんどのはずです。

大切なのは「なぜ、ここで話すのか」という原点に立ち返ること。伝えたい思いに意識を向けると、不思議と緊張が和らいでいきます。

私の主宰している「伝わる!スピーチ道場」でも最終月に「発表会」の場を設けています。回を重ねる毎に、メンバーの話し方が「緊張」から「伝えたい」気持ちに集中し、ぐっと自然になっていったのが印象的でした。つまり、意識を変えるだけでグッと「緊張」から離れることができます。

注意したいのは「間違えないように」と完璧なスピーチを目指そうとしないこと。そうすると、かえって緊張が強くなります。むしろ、聴衆との「対話」の場と考えてみましょう。自分から相手にフォーカスが移ります。

「対話」といっても?と思ったあなた、もしリアルの場なら例えば1人、聴衆の中に笑顔の人を探してみましょう。「その人に話しかける」ような感覚で話してみましょう。まさに「対話をしている」実感が得られるはずです!

意識を「頭」、「胸」から「お腹」へ

スピーチがうまくいかないとき、私たちはつい「原稿を完璧に覚えよう」「ミスをしないようにしよう」「きちんとした話し方をしなければ」と考えてしまいます。でも、それが余計に緊張を生み、話し方を硬くしてしまいます。ㅤ
スピーチは一人芝居ではなく、聴衆との「対話」です。ここで大切になってくるのが、言葉のポジション。言葉には3つのポジションがあると言われています。

言葉のポジションが「頭」にあるとき、言葉をただ「唱えているだけ」に聞こえます。次に「胸」にあるとき、「うわべの言葉」に聞こえます。例えば、過度に緊張しているとき、焦っているときなどにこうなるようです。そして「お腹のポジション」。これは本心からの自然な話し方です。この「お腹のポジション」を意識して話してみてください。詳細はこちらのブログから。

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話す時は「完璧な原稿」を読み演じる、ことを目指すより、聴衆の反応を見ながら、(たとえ緊張が隠せないとしても)心からの気持ちを伝える気持ちでスピーチする、そうすることで、より伝わるスピーチになっていきます。

これは練習を重ねることで必ず身についていくスキルです。では、どうすれば?
「おはようございます」、「ありがとうございます」、「お疲れ様でした」などの日常の挨拶、あなたは何となく発していませんか?一つ一つを「お腹のポジションで言ってみる」、ことを意識してみて下さい。このことであなたの言葉への意識が変わってきます。今からすぐ、簡単にできることでお金も一切かかりません。是非トライしてみてくださいね。

「不安な自分」から「楽しむ自分」へ

スピーチで緊張すると、私たちはつい「失敗したらどうしよう」「うまくできるだろうか」という不安な気持ちに支配されてしまいます。その結果、本来伝えたかったはずの想いも、話す楽しさも、全て不安に飲み込まれてしまう。

でも、それはもったいないことですよね。スピーチには「誰かと想いを共有する喜び」があるはず。それなのに、不安な気持ちに縛られて、その喜びを感じる余裕すら失ってしまいます。

実は、緊張や不安は「無くそう」とするのではなく、「受け入れる」ことが大切です。それを「より良いスピーチをしたい」という気持ちの表れとして捉え直してみる。すると、不安な気持ちが前向きなエネルギーに変わっていきます。

まずは小さなことから。例えば、スピーチの前に「今日は楽しもう」と自分に言い聞かせてみる。緊張している自分に「それだけ真剣に考えているんだね」と優しく声をかけてみる。そんな小さな声かけが、あなたの心の持ち方を少しずつ変えていってくれるはずです。

今後できることとしては、これから職場や学校で誰かと話す時、「この人に伝えたいことは何だろう」と意識してみて下さい。そして夜寝る前、「今日の自分の出来事でで一番人に伝えたいことは何だろう」と考え、できれば紙に書いたりアウトプットしてみて下さい(実際に話す練習ができるとなお良いですね)。

こうした小さな積み重ねが、あなたの中に「伝える喜び」という新しい感覚を育ててくれます。そうすれば、スピーチの時も「不安だな」という気持ちと「伝えたいな」という気持ちが、自然とバランスを取れるようになってきます。

私も「伝わる!スピーチ道場」のコミュニティ内で日々の出来事の投稿を続けています。1つ1つは取るに足らないような、ちょっとしたことも含まれるのですが、「今日の伝えたい、は何だろう?」と自問自答することで、「伝えるを楽しむ」にフォーカスする練習ができています。


いかがでしょうか?
今日は「緊張」を和らげるコツについてお伝えしましたが、大切なのは「緊張しない」ことというより、それを別のパワーに転換することなのです。アイデアと共に、今日からでもすぐに日常に取り入れられる練習もお伝えしました。無理なく、できることからトライしてみて下さいね。

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この記事を書いた人

米・ニューヨーク在住。ストーリーを使った「ストーリートーキングⓇ講座」認定講師。スピーチコミュニティ「伝わる!スピーチ道場」主宰。
こちらのブログでは「ストーリーテリング」、「スピーチ」を中心に、書くことで人の強みを発掘し、話すことで相手の心を掴む話し方、をテーマに書いています。

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