前回は「印象的な締めくくり方」についてお話ししました。今日は、多くの方が悩む「緊張」について、その対処法をお伝えします。
私も以前は、人前で話すたびに手が震え、声が上ずっていました。でも、少しずつ意識するポイントを変えて行くことで、緊張を意識することが減っていきました。「緊張」をしないわけではないのですが、それを味方にすることができるようになった感じです。
今日は、私が効果的と感じた3つの転換ポイントについて、お伝えします。
「見られている」から「伝えたい」へ
私たちが緊張するのは、「周りの目が気になって」、「批判されるのではないかと心配で」、「間違えたらどうしようと不安」だからです。つまり、「見られている」という意識が強すぎるんですね。
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「対話」といっても?と思ったあなた、もしリアルの場なら例えば1人、聴衆の中に笑顔の人を探してみましょう。「その人に話しかける」ような感覚で話してみましょう。まさに「対話をしている」実感が得られるはずです!
意識を「頭」、「胸」から「お腹」へ
スピーチがうまくいかないとき、私たちはつい「原稿を完璧に覚えよう」「ミスをしないようにしよう」「きちんとした話し方をしなければ」と考えてしまいます。でも、それが余計に緊張を生み、話し方を硬くしてしまいます。ㅤ
スピーチは一人芝居ではなく、聴衆との「対話」です。ここで大切になってくるのが、言葉のポジション。言葉には3つのポジションがあると言われています。
言葉のポジションが「頭」にあるとき、言葉をただ「唱えているだけ」に聞こえます。次に「胸」にあるとき、「うわべの言葉」に聞こえます。例えば、過度に緊張しているとき、焦っているときなどにこうなるようです。そして「お腹のポジション」。これは本心からの自然な話し方です。この「お腹のポジション」を意識して話してみてください。詳細はこちらのブログから。
話す時は「完璧な原稿」を読み演じる、ことを目指すより、聴衆の反応を見ながら、(たとえ緊張が隠せないとしても)心からの気持ちを伝える気持ちでスピーチする、そうすることで、より伝わるスピーチになっていきます。
これは練習を重ねることで必ず身についていくスキルです。では、どうすれば?
「おはようございます」、「ありがとうございます」、「お疲れ様でした」などの日常の挨拶、あなたは何となく発していませんか?一つ一つを「お腹のポジションで言ってみる」、ことを意識してみて下さい。このことであなたの言葉への意識が変わってきます。今からすぐ、簡単にできることでお金も一切かかりません。是非トライしてみてくださいね。
「不安な自分」から「楽しむ自分」へ
スピーチで緊張すると、私たちはつい「失敗したらどうしよう」「うまくできるだろうか」という不安な気持ちに支配されてしまいます。その結果、本来伝えたかったはずの想いも、話す楽しさも、全て不安に飲み込まれてしまう。
でも、それはもったいないことですよね。スピーチには「誰かと想いを共有する喜び」があるはず。それなのに、不安な気持ちに縛られて、その喜びを感じる余裕すら失ってしまいます。
実は、緊張や不安は「無くそう」とするのではなく、「受け入れる」ことが大切です。それを「より良いスピーチをしたい」という気持ちの表れとして捉え直してみる。すると、不安な気持ちが前向きなエネルギーに変わっていきます。
まずは小さなことから。例えば、スピーチの前に「今日は楽しもう」と自分に言い聞かせてみる。緊張している自分に「それだけ真剣に考えているんだね」と優しく声をかけてみる。そんな小さな声かけが、あなたの心の持ち方を少しずつ変えていってくれるはずです。
今後できることとしては、これから職場や学校で誰かと話す時、「この人に伝えたいことは何だろう」と意識してみて下さい。そして夜寝る前、「今日の自分の出来事でで一番人に伝えたいことは何だろう」と考え、できれば紙に書いたりアウトプットしてみて下さい(実際に話す練習ができるとなお良いですね)。
こうした小さな積み重ねが、あなたの中に「伝える喜び」という新しい感覚を育ててくれます。そうすれば、スピーチの時も「不安だな」という気持ちと「伝えたいな」という気持ちが、自然とバランスを取れるようになってきます。
私も「伝わる!スピーチ道場」のコミュニティ内で日々の出来事の投稿を続けています。1つ1つは取るに足らないような、ちょっとしたことも含まれるのですが、「今日の伝えたい、は何だろう?」と自問自答することで、「伝えるを楽しむ」にフォーカスする練習ができています。
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いかがでしょうか?
今日は「緊張」を和らげるコツについてお伝えしましたが、大切なのは「緊張しない」ことというより、それを別のパワーに転換することなのです。アイデアと共に、今日からでもすぐに日常に取り入れられる練習もお伝えしました。無理なく、できることからトライしてみて下さいね。
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