「ストーリーテリング」とは、商品やサービスの提案、企業のブランディングなどにおいて、「伝えたいメッセージを物語として語る」手法です。
私は日頃、ストーリーを日常生活に入れる効果などについて、ブログを通してお伝えしています。
とはいえ、いきなり「何をどうやって」というのは戸惑われる方が多いことと思います。今日はそれを解決すべく、簡単にストーリー作りに取り組める方法をご案内します。また、後半には効果的なストーリーをほぼ自動で作れる、ChatGPTの新機能「GPTs」を使った方法もご紹介します。
基本のワンメッセージ型
まず、ストーリーを始める際に、もっとも基本的な型は以下の流れです。
①ゴール(ワンメッセージ)を決める。
②理由(自分の経験、身近な人のエピソードなどを話す)。
③結論(そこから何を得たのか)、ワンメッセージで締める。
「①ワンメッセージ」はそのストーリーの中であなたが「一番伝えたいこと」です。例えば「お子さんが交通事故に遭わないために」がテーマの話だとしたら、「道路を横断する前には前後左右に目を配ろう」というようなことになります。次に「②理由(自分の経験など)」はこの場合、過去にあなたが道路を渡る時に経験したことを話します。例えば「昔、学校に遅刻しそうで急いでいた時に道路を横断したところ、右ばかり見ていて、左側の車が迫ってくるのに気づいていなかった。寸前のところで渡り切ったが、危うくひかれるところだった。」というように。これを受けて、最後に「③結論」として、もう一度ワンメッセージ「道路を横断する時には~」で締めます。
ポイントとしては、結論の「道路を横断する前には前後左右に目を配ろう」だけでも話は伝わりますが、相手にとって、正論だけ伝えても心に響いてこないことです。ですので、そのメッセージを相手に「聞いて、自分ゴトとしてもらう」ためには、「その理由を具体的な経験などを交えて伝える」ということが非常に有効です。
例えばこんな感じです。
「道路を渡る時は必ず前後左右を見てね。昔お母さんが中学生の時、学校に遅刻しそうだった時に、信号のない道路で、片側だけを見ていて、反対側からトラックが来ているのに気付かずに渡ってしまったの。左からトラックが迫って来てもうダメかと思ったんだけど、寸前のところで急ブレーキで止まって・・・。それ以来、どんなに急いでいても、できるだけ信号のあるところで渡るようにしているし、必ず一方だけでなく、前後左右を見るようにしているわ。だから、あなたも道路を横断する時には気を付けてね。」
どうでしょうか?話に一段階入れて、「自らの経験、エピソードなど」を入れることで、話が単なる文字から映像に切り替わり、よりビビッドに印象付けることができます。これまでお子さんなどに対し、「何を言っても聞いてくれない」「響いている印象がない」という場合、是非試してみてください。
ビジネスの内容を伝える時の2つの型
上記は日常のメッセージを伝える場合ですが、主にビジネスの場でご自身の仕事の内容を伝える場合はどうしたら良いのでしょうか?それについては、以下2種類のテンプレートをご紹介します。
①日常―出来事―新たな日常
日常:
出来事:
新たな日常:
こちらは元々の日常があり、そこに新たな出来事、経験が加わり、新たな日常(=現在の状況)が生まれるという構成でストーリーを作ります。上記のテンプレートに必要なことを入れていくとストーリーの構成ができます。
例えばこんな要領です。
・主人公はあなた自身。
・もともとは小学校の教員だった(日常)。
・たまたま友人に誘われて行った海外旅行先である人との出会いにより、海外で日本語を学ぶ学生の存在を知った(出来事)。
・その結果、最終的に日本語の教員資格を取り、現在は海外で日本語を教える仕事をしている(新たな日常)。
②ゴールデンサークル(Why-How-What)
なぜ:
どうやって:
何を:
こちらの形式は主にビジネスなどの際に有効なゴールデンサークル理論(くわしくはこちら)を使った構成ですが、以下のように使います(上記と同じ例を使って試してみます)。
・主人公はあなた自身。
・私は人に喜んでもらえることを使命としている。そのことは仕事をする上でも自分にとって大切で、大学卒業後に就いた教員の仕事にも満足していた。でも、自分にしかできないことを、もっと必要としている人に届けられないか、という思いがあった。(なぜ)
・そんなある日、ふとしたきっかけから海外で日本語を教える、という仕事を知り、興味を持った。海外留学経験もあり、英語でコミュニケーションもできる自分にとって、自分の使命を生かせる場になると感じた。(どうやって)
・その結果、今私は途上国で学生たちに日本語を教える仕事をしている。(何を)
「GPTs」であなたのオリジナルストーリーを作成!
いかがでしょうか?このような感じで2つのテンプレートに当てはめていくと、簡単にストーリーを作っていくことができます。
ところで、今回私はこの②のゴールデンサークルのテンプレートを使ってストーリーを作るプログラムをChatGPTの新機能「GPTs」を使って作成してみました。Q&A形式で質問に答えていくと、最後にはあなたのオリジナルストーリーができる構成になっていますので、よろしければ是非トライしてみて下さい。初めて作成しましたので、まだいくつか課題はあるかもしれないのですが、使ってみてのご意見、ご要望などありましたら、是非お寄せいただけると有難いです。
(GPTsは今のところChatGPT有料会員の方限定のサービスになっているようです)
上記2つのテンプレートとChatGPTを使った記事としては、以前に掲載していますので、よろしければご参照下さい。
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