ストーリーテリングについて語るブログ

まさか私が?~骨折体験記@NY(その1)

今回から数回に分けて、「骨折体験記」を書きます。

まさかの転倒

ニューヨークでの一人暮らしも4ヶ月を過ぎ、日々の生活にも慣れてきたある11月の朝。いつものように朝のバタバタに追われながら、私は家の中を行ったり来たりしていました。

その日は朝、7時半~自分の主宰するスピーチ講座での練習会を予定していました。その前にある程度の家事を済ませておこう、ちょっと急がなきゃ…!

そんな焦る気持ちが裏目に出たのかもしれません。
ほんの一瞬の出来事でした。乾燥防止のため、一時的にリビングに置いていた洗濯物干しを運びながら、私は足元に置いてあった、ヨガマットとそれに巻かれたストレッチ用のポールの存在に気づきませんでした。私は真っすぐ
90度の体制でその上に乗り上げていました。

そして「あっ」と思った時には、体が宙に浮き、そのまま床へと崩れ落ちていました。
「え?何が起こったの?痛すぎる…!」

右足首に激痛が走ります。感覚的に「これはただの捻挫じゃない」と悟りました。
しばらくその場から動けず、息を整えながらゆっくりと足を見てみると、すでに腫れ始めていました。これは数年前に娘が手首を骨折した時に見た光景と同じ。まさか、自分が…。50年以上生きてきた中で、人生初の骨折、初の大怪我でした。

一歩も動けない?

私の住んでいるのはニューヨーク・マンハッタンのど真ん中。とはいえ、一人暮らしで助けをすぐに呼べるわけではありません。まずそこから立ち上がることもできませんでした。冷や汗がどんどん出てきます。

それでも何とかスマホのある場所まで這って向かい、日本にいる夫に電話をしました。彼が駆けつけることはできないと分かっていても、その時すぐに顔が浮かんで躊躇なく電話をできるのは彼しかいなかったんです。焦り、狼狽えながらもなんとか状況を伝えます。「動けないでしょう?とにかく、誰かに来てもらわなきゃ!」という夫。

わかってはいるけれど、顔が浮かんだ人たちはほとんどが郊外在住。誰もが忙しいであろう朝に「すぐにここまで来て」、というには躊躇してしまう距離です。そんな中、ちょうど2週間前に会った、となりニュージャージー州に住む先輩ママの顔が浮かびました。「Oさんなら…来てもらえるかも…。」幸い夫はOさんと学校の役員も一緒にやったことがあり、よく知っている中でした。まだ頭の整理がつかない私に代わり、夫がOさんに連絡を取ってくれ、すぐに駆け付けてくれることに。本当に有難いです。

Oさんを待ちながら「とりあえず、落ち着こう…」痛みをこらえながら、深呼吸しました。何とか着替えて、最低限のメイクをして、この後長くなるであろう1日に備えました。

救世主現る!

しばらくすると、玄関のドアがノックされました。Oさんがレセプションの人と一緒に来てくれました。彼女は私が痛さのあまりのたうち回っているのでは?と心配していたのです。でも、痛みこそありましたが、のたうち回るほどではありませんでした。

とりあえず、二人で相談し、行くべき病院に目星をつけて電話をかけることになりました。ニューヨークには病院も色々あり、加入している保険のネットワーク内か外かで自己負担額が大きく変わります。色々と問い合わせる中で、まずは近隣の**Urgent Care(救急ほどではないが、予約なしで診てもらえる医療機関)**に行き、レントゲンを撮って応急処置をしてもらうことにしました。

松葉杖って…難しい!

一番近い病院を調べましたが、まず一歩も歩けない私。当然、車椅子なんて持っていません。Oさんはそんな私のために、近隣のドラッグストアで松葉杖を買ってきてくれました。松葉杖っていくらくらいするの?と思いますよね。大体55ドル前後。1ドル150円とすると8,250円。思ったより安いな、というのが正直な感想でした。

そして、待っていたのは、人生初の松葉杖での歩行。「こうかな?」と考えながら進むも、とにかく力が入って前に進めません。(後に病院で習い、YouTubeでも学びましたが、脇に挟んではいけないという基本を知らずに使っていました。)

1アベニューと1ストリート先の距離が、果てしなく遠く感じました。「このくらいならUber(アプリ型タクシー)を頼まなくても大丈夫」と思いましたが、それは無謀だったかもしれません。ようやく病院近くまで辿り着くと、先に確認してきてくれたOさんが「ここ、レントゲンがないらしいの。10ブロック先の支店ならあるって」とのこと。ここでついにUberを使いました(笑)。
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ちなみにニューヨークの街は、一部のエリアを除いて碁盤の目のような整然とした作りになっています。
南北方向には「アベニュー」、東西方向には「ストリート」が走っており、それぞれの距離には違いがあります。

・アベニュー(南北方向):約200~250メートル
・ストリート(東西方向):約80~100メートル

ざっくり言うと、ストリート3~4ブロック分がアベニュー1つ分に相当するイメージです。

骨折確定

そして、ようやくたどり着いたUrgent Careの病院。ここでレントゲン撮影をして、やはり、右足首の両側の骨が折れていることが判明。そこにいたドクターが「これは多分手術が必要。今日は金曜日、来週後半はサンクスギビング休暇で医療機関も休みになるところが多い。とにかくすぐにER(Emergency Room:救急外来)にかかることをお勧めする。」とのことで、応急処置をしてもらった後、私たちは近隣のERに向かいました。

「ER」は、よく映画やドラマの舞台にもなるので名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?ここはUrgent Careから1 avenue先にありました。近距離ではありましたが、近距離でしたが、先ほどの松葉杖歩行の辛さを考え、迷わずUberを呼びました。次回に続きます。

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この記事を書いた人

米・ニューヨーク在住。ストーリーを使った「ストーリートーキングⓇ講座」認定講師。スピーチコミュニティ「伝わる!スピーチ道場」主宰。
こちらのブログでは「ストーリーテリング」、「スピーチ」を中心に、書くことで人の強みを発掘し、話すことで相手の心を掴む話し方、をテーマに書いています。

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