ストーリーテリングについて語るブログ

お金の話①~時間を味方にする、投資の極意

今回はお金のお話。
最近のClubhouse「耳で読むビジネス書(耳ビジ★)」で紹介されていた山口京子さんの「貯金ゼロから始める『新へそくり生活』のススメ」では、とかく難解で遠ざけてしまいがちな「お金、投資の話」をわかりやすく解説していた。今回の回をきっかけに「私も始めてみよう!」と証券口座を開設した人続出の回であったので、これを機に私も「投資」について頭の整理がてら、まとめてみようと思う。

りんごの話

この本で一番印象に残ったのは以下の部分(本書から引用しているが、一部省略して記載している点はご了承願いたい)。

いきなりですが、あなたは、毎月1万円のおこづかいで、りんごを買います。プレミアムんごですから、ちょっとお高いです。

1カ月目、りんごの値段は1個1万円。買えるりんごは1個。
2カ月目、りんごの値段は1個1,000円。買えるりんごは10個。
3カ月目、りんごの値段は1個1万円。買えるりんごは1個。
買ったりんごの数
1+10+1=12個
そのりんごを見た人が「まぁ、素敵なプレミアムりんご、1個5,000円で私に売ってちょうだい」と言われたら・・・

まず、売ったお金
5,000円×12個=6万円

それに対し、使ったお金
1万円×3カ月=3万円
(りんごを売って)儲けたお金
6万円ー3万円=3万円
このように、3万円の儲けが出ました。

「貯金ゼロから始める『新へそくり生活』のススメ」より引用

この部分で「肝」となるのは、りんごの価格は毎月変わり、高い時も、安い時もある。でも、毎月買い続けていけば、儲けが出ている。という事実だ。りんごの価格が「一番安い時」、「一番高く売れる時」を予測せずとも、毎月コンスタントに買い続けることで、儲けが出るということ。

そして、そもそも最初から「一番安い時」、「一番高く売れる時」なんて、最初から予測不可能なのだ。そうであれば、そんな「予測不可能なこと」に気を取られずに、毎月着々と買い続けるのが結局は一番楽かつ賢明だ。

投資信託とつみたて

さて、上記のりんごの話は、もともと「投資」の話を分かりやすくなるよう、置き換えて説明したもの。「投資」といっても株式投資、投資信託、債券、金等々、色々な種類があるが、本書では比較的素人でも少額から始めやすい、「投資信託」を中心に紹介されている。

投資信託は、多くの人のお金を専門家がまとめて運用し、成果を分配するものです。さまざまな内容のものがあります。たとえば運用対象が国債中心、株式中心、不動産のみ、海外資産中心、派生商品(デリバティブ)中心、などです。多くの銘柄、数種類の金融商品などに“分散投資”する投資信託もあります。

「知るぽると」金融広報中央委員会サイト

そして、投資信託の基本になるのが「ドルコスト平均法」という考え方と毎月自動的に決まった額を購入できる「つみたて投資(投信積立)」だ。

「ドルコスト平均法」
定期的に同じ金額を買付していく方法。価格が安い時に多く買付け、価格が高い時に少なく買付けることで、一度に買付ける時に比べて平均買付コストを引き下げる効果があります。

楽天証券ウェブサイト

上記の「りんごを毎月買い続ける」という行為はこの「ドルコスト平均法」の概念を説明したものである。投資の中でも、毎月コンスタントに購入する「つみたて投資(投信積立)」を利用して、時間とお金を分散して、高い時にはそれなりに、安い時にはその分多く買い、平均買い付けコストをならすことができる。もちろん、りんごの価格は上がったり下がったりするが、最終的に「つみたてたりんごの数は決して減らない」というところが最大のポイントである。

時間を味方にする

私が「投資」について、意識し、証券口座を開いたのは確か2008年。当時米国発のリーマンショックの影響を受け、投資相場が大下落した際、何のきっかけだったが記憶が曖昧だが、色々と本を読んだり、セミナーに出たりして(当時日経新聞主催のお金に関するセミナーはなかなか良かった)、少しずつ学んでいった。自分でも給与天引きの「財形貯蓄」一辺倒だった貯蓄を解約し、投資信託や株にシフトしていったのもこの時期からだった。お金の勉強が面白くなり、その後ファイナンシャルプランナーの資格取得にもチャレンジした(FP技能検定2級取得⇒ただしその後アップデートしておらず)。

この時学んだことで一番大きかったのが、まさに上述の「ドルコスト平均法」である。つまり、一時の値上がり、値下がりに左右されず、「時間を味方につけて」長い目で見守る、安心安全な投資法。世界経済は確実に成長し続ける、だから(余計なことは考えず)、毎月コンスタントに投資し続ける、というセオリーである。この「ドルコスト」を続けるのに最適なのが「つみたて投資(投信積立)」。本書では以下のようにわかりやすく説明されている。

あなたが毎月1万円でりんごを買ったように、定期的に一定の金額で投資信託を買う投資法を「つみたて投資」といいます。
これに対して、一度のタイミングで投資信託を買う投資法を「一括投資」といいます。
一括投資とつみたて投資では、同じ3万円を投資しても、投資の結果が違ってきます。
つみたて投資というのは、りんごの数をつみたてていく投資法。半額になっても、倍もうかったのは、2カ月目の下落ところで、りんごを爆買いできたからなのです。りんごの値段が下がっても、りんごの数が多ければ、資産が増える可能性があるのです。

「一括投資」の結果は、りんごの価格と運営共同体
「つみたて投資」の結果はりんごの数×価格

日本人の多くは、いいえ世界中の投資家も、りんごの値動きばかり気にしていて、りんごの数を増やすことに全く関心がありません。つみたて投資で成果を出すためには、実はりんごの値段と数の両方が大切なのです。

「貯金ゼロから始める『新へそくり生活』のススメ」(山口京子 著)

預金⇒投資にシフトすべき理由

前述の引用部分を読むと「投資=怖い、ギャンブル」という意識が変わるのではないだろうか?2022年8月現在メガバンクの普通預金の利率は年0.001%。つまり100万円を1年間預けても、僅か10円しか増えない。それに対し、一般的な目安として、世界中の株全てに投資した場合の平均利回りは年5-7%と言われている(100万円を投資したら、1年で5~7万円のリターン)。ならば、すぐ使うお金、当面必要なお金を除き、こちらに移すことを検討した方が良い良いのではないだろうか?

もちろん、先に紹介したりんごのように当然毎日、毎月の値動きはある。瞬間的に最も高いところで「一括投資」してしまったら、当然売る時に損をする。だが、それを解消する術が時間を味方につけた「つみたて投資(投信積立)」だ。

ちなみにつみたて投資は安いものではなんと「100円」から積立可能だ。極端な話、毎日100円ずつ1ヵ月毎日投資する、という方法もあるし、1カ月月に3,000円でも、1年間に36,000円一括でも、もちろん良いのだ。どの方法でも良いが、私達は将来的な「リターン(『一番安い時』、『一番高く売れる時』)」を予測することはできないから、「リスク」を管理するしかない。その手段の一つが「時間」を味方につけて分散することになる。そして、「できるだけ長く」保有することが大切だ。その理由は次回ご紹介する。

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この記事を書いた人

米・ニューヨーク在住。ストーリーを使った「ストーリートーキングⓇ講座」認定講師。スピーチコミュニティ「伝わる!スピーチ道場」主宰。
こちらのブログでは「ストーリーテリング」、「スピーチ」を中心に、書くことで人の強みを発掘し、話すことで相手の心を掴む話し方、をテーマに書いています。

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