ストーリーテリングについて語るブログ

ストーリー作りのハードルを下げよう~ChatGPT活用のススメ(その2)

前回に続き、もう1つ「ChatGPT×ゴールデンサークルのプロンプト」を使ってストーリーを作る例をご紹介します。

①プロンプト、テンプレートの情報を入れる

ストーリーには、今日は「Why(なぜ)-どうやって(Why)―何を(What)」のテンプレートをご紹介します。
Why(なぜ):なぜ、それをやるのか?
How(どうやって):どのように、やるのか。
What(何を):その商品、サービスは何か。

このテンプレートを「新しい化粧品シリーズを発表した、化粧品会社の研究開発メンバー」の情報を入れ、ストーリーを作ってみます。
==========================
例2)ChatGPT×ゴールデンサークルのプロンプト
あなたは心に響くストーリーを語るストーリーテラーです。以下のコンテンツで500字以内のストーリーを作って下さい。

主人公:化粧品会社の研究開発メンバー
目的:自然派化粧品の潜在顧客がこの商品を買いたくなるストーリーを作る。
対象:30~60代の自然派志向の強い女性
形式:Why-How-Whatのゴールデンサークル形式(3つに分けず、一連の文章として)
※文面が固くなりすぎないように注意してください。

<テンプレート>
・なぜ:肌荒れに悩む女性が多い。原因はケミカル成分。身体に良い物だけを使いたい。
・どうやって:長年、ノンケミカルの化粧品を目指して研究を重ねる。防腐剤を使わない化粧品は腐りやすいなど、数々の問題に直面してきた。
・何を:10年の試行錯誤の結果、生まれたのがこのABCシリーズです。
=============================

②ChatGPTのストーリーを見て、修正を加える

以下がChatGPTが出してきたストーリーです。
=============================
研究室の窓から差し込む夕日が、彼女の頬を柔らかく照らしていた。彼女の名前は優子、化粧品会社の研究開発メンバーとして、日々の研究に没頭していた。彼女自身も肌荒れに悩む一人であり、その原因となるケミカル成分を避け、身体に良いものだけを使いたいという強い思いがあった。

優子は、ノンケミカルの化粧品を目指して、長年研究を重ねてきた。防腐剤を使わない化粧品は腐りやすいという問題や、成分の安定性、効果の持続性など、数々の難題に直面してきた。しかし、彼女の情熱は決して冷めることはなく、チームと共に解決策を模索し続けた。

そして、10年の試行錯誤の末、ついに彼女たちの努力が結実する。生まれたのが、ABCシリーズ。自然の恵みを最大限に活かし、肌に優しく、効果的な化粧品として完成したのだ。優子は、初めてその化粧品を手に取った時、涙がこぼれるほどの感動を覚えた。彼女の肌は、ABCシリーズによって、再び健やかな輝きを取り戻した。

「私たちの研究が、多くの女性の笑顔を取り戻すキッカケになれたら」と、優子は心から願っている。ABCシリーズは、自然を愛するすべての女性たちへ。あなたの肌も、優子たちの情熱と研究によって生まれたこの化粧品で、新たな輝きを手に入れてみませんか?
=============================
こちらも、間違っている点を修正したり、具体的エピソードを入れて、ストーリーを「生きたもの」に変えていきましょう!

ここでは「優子」と勝手に名前がついてますので修正します。また、追加ポイントは以下の通りです。

<追加ポイント>
・自身も肌荒れに悩んだ、具体的エピソード(夏でも半そでが着られなかった、ノーメイクの顔を見せるのが怖く、彼氏もできなかった、など)

・研究開発で苦労したエピソード(例:何度試作を重ねてもうまくいかず、「次にダメだったら諦めよう」と思ってトライした12回目でようやく成功した)

・ラボラトリーの風景(人気ドキュメンタリー番組『プロジェクトX』を文章で再現するような)-文章や写真、映像で付加していく。

・生の体験談(例:お客様からの嬉しいフィードバック「これを使って、長年の肌荒れが解消した」に社員一同、涙を流して喜び合った)

プロンプトに入れる際のポイントは、テンプレートだけに固執しないことです。具体的なエピソードや強調したいポイントは、箇条書きでもOKですし、何度も壁打ちすることで、「文脈(前提条件)」を読み取って、より良い答えが出てきます。そして、出てきた文章は確認し、事実と異なる点や足りない部分を自分で加筆修正することが大切です。

ストーリーの多面展開

ここまで、2つのテンプレート×ChatGPTでストーリーを作り、それを加筆・修正していく手順をご説明しました。

では、ここからは「応用編―ストーリーの多面展開」です。ストーリーは一つ作ったら終わり、ではありません。複数の切り口で新たなストーリーを作り「一粒で二度、三度おいしい」ストーリー作りを目指しましょう。

先ほどのストーリーの主人公は「化粧品会社の研究開発メンバー」として、ストーリーを作って来ました。
では、このストーリーの主人公を変えて、別の切り口で語ったらどうなるでしょうか?
以下は「お客様の立場から」語ったストーリーです。
=============================
目的:同じ悩みを持つ女性にアプローチし、製品に関心を持ってもらう。
主人公:肌荒れに悩む女性
日常:何を試しても肌が荒れてしまう。荒れた肌が原因で恋愛にも積極的になれない。メイクなしでは人前に出られない。
出来事:ABC化粧品と出会う。使い続けているうちに、いつの間にか人前でも平気で素顔でいられる自分に気づく。
新たな日常:もう、肌荒れに悩む自分は過去のものになった。何事にも自信を持てるようになり、新しい恋人も見つかる。

ここで出てきたのが以下のストーリーです。
=============================
彼女の悩みは数多くの女性と共通していた。毎朝、鏡を見る度に、何を試しても治らない肌荒れに頭を悩ませていた。彼女の日常は、メイクアップでその悩みを隠す日々。素顔の自分に自信が持てず、恋愛にも消極的で、素の自分を出せない日々が続いていた。

ある日、彼女は友人から一つの化粧品を紹介される。それが「ABCシリーズ」だった。最初は半信半疑で使い始めた彼女だったが、使い続けるうちに、彼女の肌は変わり始めた。徐々に荒れが治まり、肌のトーンも明るくなってきた。そして、最も驚いたのは、鏡を見ることへの抵抗がなくなったことだった。彼女は、いつの間にか人前でも平気で素顔を見せられるようになっていた。

新たな日常が彼女を迎えていた。肌荒れに悩むことのない日々。メイクをする時間も短縮され、その時間を好きなことや新しいことに使えるようになった。そして、彼女は新しい恋にも踏み出せる勇気を持った。
=============================
いかがでしょうか?こちらも、上記と同じように、事実と異なる点を修正したり、追加するポイント(失敗など、過去の体験、会話、風景の描写などのディティール)を入れていくと「生きた」ストーリーになります。なお、注意点として「お客様の声」は事実でなくてはいけません。このようにストーリー仕立てにするには、必ず「元」となるコメントがあり、お客様の了解を取ってから作る必要があります。

方法としては、ChatGPT上で元のストーリーに対し、「フォーカスしたいポイント」を箇条書きで入れることで、元のストーリーの文脈を生かしながら、新しいストーリーを作ってくれます。折角作ったストーリーです、是非「一つの題材で複数のストーリー作り」にもチャレンジしてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

米・ニューヨーク在住。ストーリーを使った「ストーリートーキングⓇ講座」認定講師。スピーチコミュニティ「伝わる!スピーチ道場」主宰。
こちらのブログでは「ストーリーテリング」、「スピーチ」を中心に、書くことで人の強みを発掘し、話すことで相手の心を掴む話し方、をテーマに書いています。

コメント

コメントする

CAPTCHA