ストーリーテリングについて語るブログ

「ストーリー」がファンを呼ぶ~BTSの事例に学ぶ

これまで「ストーリーテリング」について投稿してきましたが、今日はそもそも「なぜストーリーで語るべきなのか?」についてお話ししたいと思います。

人の習性として、商品・サービスを前面に出されると、「売られる」「宣伝されている」と感じて、身構え、心を閉ざします。

以前、ゴールデンサークル理論について書きましたが、人は商品・サービスよりも、「なぜ、その人がそれをやっているのか?」という理念について語ると心が動きます。

そして、あなただけのストーリーで語ると、その商品・サービスは「あなただけ」のオンリーワンになります。これを評価し、共感してくれる人にとっては、唯一無二の価値が出ることで、強烈なファンが生まれます。そして、協力者や応援者も現れます。こうした人達と心で繋がった仲間となることができるのです。

どういうことでしょうか?具体的な分かりやすい例を挙げますね。
世界的に大人気のアイドルグループBTS(現在はグループ活動休止中ですが)をご存知でしょうか?彼らの所属事務所はデビュー当時、韓国ではあまり大きいプロダクションではありませんでした(現在は押しも押されぬトップ企業として君臨していますが)。でも、デビュー当時から彼らは自分たちの活動やストーリーをSNSを通じて発信し続けてきました。

当時業界最大手の所属ではない彼らが、「すぐに消えていくアイドルグループ」の一つと思われている中、せっせと自分たちの活動を発信し、歌にダンスに、寝る間もなく努力している姿を発信し続けてきたのです。最初はあまり有名なグループではありませんでしたが、段々とその才能や活動が評価されると共に、こうした努力し続ける姿に共感し、応援するファンの数も増え続けていきます(こうしたファンたちをBTSは親しみを込めて「ARMY」と呼んでいます)。

ARMYたちは無条件に彼らを応援し続けます。グッズを買ったり、ライブに行ったり、中にはメンバーの誕生日にお金を出し合って広告を出す人たちも!そして、彼ら、彼女たちの活動がまたファンを呼び、そのコミュニティは今や世界中に広がっています(BTSが「買ってくれ」、「広告を出してくれ」と言わなくても、自発的にARMYがお金を出し、広告まで出してくれるのです!)。

このように「ストーリー」の成功事例として、最も顕著な例の一つが、BTSと「ARMY」と言われるファンたちの存在ではないかと思います(私もそんな、彼らのストーリーに魅せられた一人です!)。

さて、アイドルグループと自分たちを比べても・・・と思わないでくださいね。規模こそ違えど、あなたにも同じことができます。「自分の思い、理念」を発信して、伝えて下さい。そして、そうすれば、たくさんの選択肢の中から「あなたから商品やサービスを購入したい」と思ってくれる人が必ず現れます。

例えば、あなたがお花の教室を経営しているとします。世の中にはお花を扱う教室は無数にあることでしょう。でも、その中で、「あなただけのこだわり」はないでしょうか?
例えば、あなたが高価なお話だけでなく、雑草と言われる野花も大事にしていて、そういうお花を使ったブーケを作っている方だとすれば、「そんな〇〇さんにレッスンをお願いしたい」という人が現れるかもしれません。

また、あなたがコーチングを行っている場合、人生を順風満帆に進んできた人よりも、「社会人生活でパワハラを経験し、それから立ち直った」という背景を持つあなたから学びたいと思う人がいるかもしれません。

一見「こんな当たり前のこと」や「あまり知られたくない過去」と思えることでも、それに価値を見出し、ファンになってくれる人がいるということです。でも、それは「発信」しないと届きません。

あなたの過去の経験や好きなこと、大切にしていることを紐解いて、「なぜ」から「ストーリー」を作ってみませんか?きっとそれを「求めている誰か」に届くと思います。

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この記事を書いた人

米・ニューヨーク在住。ストーリーを使った「ストーリートーキングⓇ講座」認定講師。スピーチコミュニティ「伝わる!スピーチ道場」主宰。
こちらのブログでは「ストーリーテリング」、「スピーチ」を中心に、書くことで人の強みを発掘し、話すことで相手の心を掴む話し方、をテーマに書いています。

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