佐藤政樹さんの著書『
の中で「人見知りを直す『声をかける習慣』」という項目があります。人は誰しも気づいてもらえたり、好意的な言葉をかけてもらえると嬉しいものです。でも、私たちは何か心に浮かんだとしても、余程親しい間柄でもなければ、その言葉を「飲み込んで」しまいます。それがたとえ相手を喜ばせるポジティブなものであったとしても・・・。よく考えるとそれはとっても勿体ないことですね。でも、私たちはシャイだから、「これを言っても余計なお節介かな」とか「なんだか気恥ずかしいや」でなかなかそのひとこと、が言えません。正確に言うと、頭に一瞬浮かんだとしても、すぐに「やっぱり、いいや」と「なかったこと」にしてしまうのです。
2つのポジティブ習慣
佐藤さんがこの本でお勧めしていることは2つあります。1つ目は「1日1回でいいので、まったく知らない人に声をかける」ことです。たとえば、お店で自分が客としてサービスを受けたら、サービスを提供してくれた人に丁寧に「ありがとう」と言う—これなら、比較的すぐにできそうですね。
それができるようになったら、2つ目。「ありがとう」にもう一言プラスして「とても美味しかったです!」とか、「こんなにきれいにできるんですね!」とか、ポジティブなフレーズをプラスします。すると、きっと相手の表情がパッと明るくなるはずです。
実は私も今日職場で同僚に同じことをしてみました。前から壊れていた棚の扉を直してくれた人に対し、「ありがとう」と「とても助かりました!」と言ってみたんです。いつもは何となく照れくさくて「飲み込んでしまう」言葉をあえて言ってみました。結果は、相手の表情だけでなく、自分の気持ちまで明るくなりました!
一言で二度おいしい、プラスのひとこと、効果は絶大です!
言葉で感謝のチップを配ろう
私はたまたま今日は職場での声掛けでしたが、佐藤さんいわく、コツは「自分が客の立場のとき」に「仕事中の人に」声を掛けることだそうです。もしあなたが買い手の立場であれば、相手にとってあなたはお客様なので、まずイヤな想いをすることはないからです。この時、相手を物体ではなく、一人の人間としてしっかり意識する、自分の大切な宝物を相手に渡すように接すると、相手にも確実に伝わります。
佐藤さんはこの本で「言葉で感謝のチップを配ろう」という表現をされています。素敵な表現ですね!以前、ストーリーテリングの講座で相手との信頼構築のために心がけること、として、「相手の頭の上にお賽銭箱があると思って、お金をチャリン、チャリンと入れていきましょう」ということを習いましたが、同じことですね。
あなたの頭の中でグルグルしている思い、これらは全部「相手に伝えなければ、ないのと同じ」です。折角目の前の人に対して、良い印象を持ったのなら、勇気を出して「ありがとう」、さらにもう一歩勇気を出して「プラスのひとこと」、口に出してみませんか?
人は皆「言われたいこと」がある
佐藤さんは昔、お芝居だけでは生活できなかった時代、テイッシュ配りやキャッチ、女性キャストのスカウトの仕事もしたことがあるそうです。テイッシュ配りが「この世にいない空気」のような存在、キャッチが「怪しい存在」なら、女性キャストのスカウトは「存在自体が害虫」なのだそうです・・・。
女性たちの容赦ない冷たい反応に、辛くて散々くじけそうになりながら佐藤さんが編み出したテクニックが「人間が持つ基本的な要求を質問にしてしまう」ことでした。例えば、女性だったら「若く見られたい」、「きれいと思われたい」などですよね。だから、「こんにちは、学生さんですか?」「今日は学校休みなんですか?」などと質問をすると、かなりの確率で嬉しそうな反応をしてくれたのだそうです。
たとえば男性だったら、「尊敬されたい」、「頼り甲斐があると思われたい」など、子供だったら「褒められたい」ですかね。この心理を読んで、相手が「言われたら嬉しい」マジッククェスチョンをすると、相手が心を開いてくれる可能性が高くなります。相手との心理的距離を縮めて良好な関係を築きたい、と思ったら、この質問を思い出してみて下さい。
<本書について書いたブログ>
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