ストーリーテリングについて語るブログ

1%の本質を最速でつかむ「理解力」とは?②~人生をよりよくするための最速チケット!

1%の本質を最速でつかむ「理解力」とは?①~脳内に「理解の箱」を増やそう!の続き。

この話の幹(目的)は何だろうか?ーまずは幹から!

人は「全体」から「細部」へ説明されたときに理解を深めるという。人にものを伝えるときは「全体から細部」を意識すると話の目的がよくわかる。逆に、「細部から全体」だと、何の話をしているかわからない。木に例えると「幹⇒枝⇒葉」の順番となる。つまり「幹」から伝える(考える)ことが大事だ。先に「枝、葉」について話してしまっては、話が伝わらない。逆に自分が人の話を聞くときは、その話の「幹(目的)」について話しているのか、を見極める。順番を考えず、支離滅裂な話し方をする人の話を聞くときは「これは〇〇についての話ですか?」と相手に質問するとよい。

それ以外にも、相手の話に「違和感」を感じたら質問すること。理解力が高い人ほど質問力がある。それは「自分が何をわかっていないか」が分かっているから。話をする時、聞くときは常に「幹、枝、葉」を意識するべきだ。

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この話の「幹」は?

クリティカル思考ー「鳥の目」を持つ

もし私たちが道に迷ってしまった時、頼るのは地図だ。地図(アプリ)を使い、無意識のうちに現在地と目的地を確かめている。そして、地図に頼って目的地に到着することができる。この地図の役割を果たすのが、広い視野で上から全体を俯瞰する「鳥の目」である。空を飛ぶ鳥はいつでも町全体を見渡して、どこに何があるのか、近くでは見えない情報を把握している。

これに対して、人間が普段使っているのは視線が地上に張り付いている「虫の目」である。「虫の目(近視眼的な見方)」で見ていると、現在地や目的地を見失ってしまうこともある。

これは普段私たちが物事を見る時にも応用できる。私達は「虫の目」だけでなく、「鳥の目」の視点も持っていた方が物事を客観視することができる。そのためにどうするか?ー想像の中で「目のドローンを上空に飛ばしてみる」と良いのだそう。上空から、相手から、ゴール地点から、「ここ(今の状態)はどう見えるだろうか」という想像を常にすることにより、全体像を把握(客観視)でき、その中で「今何をすることが必要か」ということが考えられる。

目のドローンを上空に飛ばしてみる画像
目のドローンを上空に飛ばしてみる

めその他、この本では与えられた情報について、「本当にこれで正しいのか?」「なぜ〇〇なのだろう?」など、あらゆる視点から質問や疑問を投げかけることににより、「理解したつもり」の壁を超えるアプローチが紹介されている。

実践、アウトプットー与える人が与えられる人

そもそも理解は何のために必要なのか?ー答えは、私達の人生や仕事という実生活に活かすため、自分自身や周囲の人、社会を豊かにするため、である。言い換えると、「アウトプットするため」でもある。そして、この理解した情報を「循環」させていくことが大事だ。

知識や情報を自分だけで独り占めせず、シェアし、人に役立ててもらうことにより、私たちの「信用貯金」が増えていく。私たちが惜しみなく与えた情報や知識が「情報、人脈、応援、お金、時間」などの形で与えた人に戻ってくる。これは心理学でいう「返報性の法則(相手から受けた好意などに対し『お返し』をしたいと感じる心理のこと)」にあたる。「与える人が与えられる人」なのだ。そして、理解とは、自分の知識、情報を「人に与えるための原資(もと)を作る行為」でもある。アウトプットにより、「自己満足な脳内ライブラリー」を抜け、「他者貢献のための脳内ライブラリー」へアップデートすることができる。

実践!アウトプットで思考が動き始める!

では、どうやって実際に理解したことをアウトプットし、人に伝えていくか?一口ににアウトプットといっても、「書く・話す・発表する・教える」など色々な手段がある。

実際に現在多くの学校で取り入れられている「アクティブ・ラーニング(書く・話す・発表するなどのアウトプットを入れた授業)」も、アウトプットの効果を使ったメソッドだ。

アウトプットは完璧でなくても良い。いま、この瞬間に頭で考えていることや、思い浮かんだことをアウトプットすることによって、思考が動き始めるし、学んだことが定着するという。アウトプットをして初めて「足りないところ」がわかるし、それがわかったら、やりながら足していけば良い。最初から100点満点を目指して水面下にいるより、50点でも動き出せば先に進める。

教えることの効能~まずはシェアから?

アウトプットの中でも特に効果が大きいのは「教える」ことだという。教えることを前提とすることで、程よい緊張感とともにインプットの精度が高まる。最速で理解のスピードを高めるためには、自分の知識を人にシェアしたり、勉強会を開くと良いという。ゴールは「自分が伝えること」ではなく、「相手が正しく理解すること」である。自分が100%自信がないことは、とかく教えることを躊躇しがちだが、「教える」という行為を通じて理解が定着するという。SNSでの発信、シェア、身近な人への勉強会など、学んだことをどんどん広げていこう。

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「教える」ことは最強のアウトプット!

理解力は人生をよりよくするための最速チケット

最後に、理解力があるとどんなメリットがあるか、以下にまとめてみる。

  1. 理解力が高まることで、いつでも的確な判断や決断が下せるようになり、問題解決力が高まる。
  2. 「相手を理解しよう」とする気持ち(愛)を持つことで、人間関係が良くなる。

  3. 自分とは違う意見や価値観を理解し、受け入れることで自分自身の視野が広がり、人間的に成長できる。

  4. 理解力により得た知識・経験をアウトプットして人に「与える」ことで、人に信頼され、自分の人生も豊かになる。

つまり、理解力は仕事、プライベートに関わらず、人生を生きていく上での基盤、「人生をよりよくするための最速チケット」なのだ。

もともと筆者のヤマタクさんは、「アウトプット全盛時代」の今、アウトプットが重要なことを認識している人は増えているが、いざ、文章を発信する段階になると「ハテ、どうやって??」と「何を、どう発信していくべきか」迷う人が多いことから、その「もと」となる理解力についての本を出すことを検討されたという。

ここでは理解力を深めるための具体的なテクニックまでは紹介し切れなかったが、本書には「理解を深める13のアプローチ」、「仕事で求められる10の理解」など、具体的なテクニックについても詳しく書かれており、常に手元に置いて、辞書的な使い方をすると良いと思う。アウトプットの仕方に迷いのある方には是非一度、手に取って読んでいただきたい。

1%の本質を最速でつかむ「理解力」

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この記事を書いた人

米・ニューヨーク在住。ストーリーを使った「ストーリートーキングⓇ講座」認定講師。スピーチコミュニティ「伝わる!スピーチ道場」主宰。
こちらのブログでは「ストーリーテリング」、「スピーチ」を中心に、書くことで人の強みを発掘し、話すことで相手の心を掴む話し方、をテーマに書いています。

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