2023年は、私にとってストーリーテリングに始まり、ストーリーテリングに終わった1年でした。1月の終わりに、現在の師である山本光子さんの「夢を叶える話し方講座」のワンデーセミナーに参加しました。少し前からストーリーのことは知っていましたが、Clubhouseで「光子さんってどんな人だろう?あんな風に人を惹きつける話し方の秘訣はなんだろう?」という好奇心が強かったんです。
NYと日本の時差を考慮すると、なかなか良い時間帯がなかったのですが、どうしても一度お会いしたくて、早朝4時からのZoomセミナーに申し込みました。「起きられるの?」という時間でしたが、なんとか参加しました。セミナーは3時間ぶっ通しで行われ、休憩もなしで正直きつかったですが、「長い」と感じる間はありませんでした。それだけ光子さんの話に集中していたし、優雅な印象の彼女のエネルギッシュさに良い意味で裏切られました。「なんだか面白そう。やってみようかな?」と思いました。何より、セミナーを受ける前と後で、私のストーリーに対する印象が大きく変わりました。
正直、その時期は他にも色々な講座を受講しているタイミングで、新しいことを始める余裕はあまりありませんでしたが、何となく、「今」を逃してはいけないような気がしました。数日考えて申し込みました。
そこからの3ヶ月間は、同期の講座生仲間たちの前のめりな受講姿勢に刺激を受けながら、講座を受けたり、自主的に勉強会を開いたり、自分でもストーリーを作っては「難しいな」と格闘したり、はたまた、自分のエピソードを話していたら講座中に涙してしまったり、忙しい日々でした。講座が終わるころには、「もっとこれを続けたいな。極めたいな」という思いが残りました。その結果、そのまま講師講座に入って8ヶ月が経とうとしています。
なぜストーリーを語ると良いのか?それは、同じ話であっても、ストーリーを入れるとまったく印象が変わり、そして忘れないからです。
例えば、私たち受講生は光子さんが語った、彼女がまだ苦労していた時代のエピソードが強烈に印象に残っています。今はキラキラと眩しい存在の彼女にも、そんな時代があったんだな、というギャップを感じたからでしょう。
これはビジネスの世界でも同じです。たとえ香水に全く興味がない男性でも、「この香水はただの香水ではないんです。実はその昔、アメリカの大統領だった男性がまだ20代の頃・・・」と店員に語られたら、なぜか強烈にそれが欲しくなったりします。
新入社員が上司に注意されるような場面でも、「実は僕も若い頃は会議中の居眠りが止められなくて・・・」という人間らしいエピソードを入れられると、スッと素直に聞けることがあります。
週末、「今日は絶対に外食したい!」と言い張っていた子供も、お母さんに「この間〇〇が食べたいって言っていたから、ハンバーグを作ろうと思って材料を買ってきたの」と言われると、「わかった!」とすんなり家でご飯を食べてくれます。
こんな風に、いつものやり取りに、一言ストーリーを入れるだけで、コミュニケーションが円滑になり、ビジネスにも人間関係にも絶大な効果があります。
私は最初、よくわからないまま飛び込んだ「ストーリーテリング」の世界でしたが、次第にその効果に魅せられ、現在に至っています。せっかく学んだことを自分でも腹落ちさせたくて、こうしてブログを書いたり、自分の所属するコミュニティで勉強会を開いたり、Clubhouseでは「ChatGPT×ストーリーテリング」というテーマで2回発表をさせてもらいました。これも惜しみなく指導してくださる光子さん、快くご自身の番組に出演の場を提供してくださった赤羽雄二さん、取材に協力してくれた講座生仲間、そして聞きに来てくださった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
さて、早いもので2023年ももうすぐ終わりです。来年はストーリーテリングに関わる者の一人として、ストーリーを今以上に広めていく一端を担えればと思っています。個人レベルでは知っている人も増えていますが、企業や学校の世界ではまだまだ「ストーリーって何?」というところも少なくありません。山本光子さんも言われていますが、企業で社員全員がストーリーを自在に使えるようになったら、すごいことが起こるのではないでしょうか?学校もそうです。先生や生徒全員がストーリーを語れるようになったら、日本の学生のプレゼンテーション能力も爆上がりするはずです。私たちがどうしたらそれを伝えていけるか、そんなことを考えるとワクワクします。
そしてプレゼンと言えば、これに英語が加われば最強です。英語については先日のブログに書きましたが、今年私はオバマのスピーチの「朗唱」を始めて、その奥深さにはまっています。こちらの方ももっとブラッシュアップして、いつかストーリーとプレゼン、ストーリーと英語の掛け合わせを伝えていくことができたら楽しいな、と密かに思っています。
というわけで、2024年もストーリーの世界にどっぷり浸かりつつ、もっともっとストーリーが「市民権」を得られるように普及に努めていきたい。そして、英語朗唱も引き続き、自分の限界を超え続けていきたいです。
コメント