ストーリーテリングについて語るブログ

ストーリーテリング~ 人々が「行きたくなる」場所の創り方

ストーリーテリングを学ぶ人たちの中には、個人事業主の方も多いです。自分たちのお店やビジネスをする中で、「ストーリー」を使って効果的な集客をしたいと思うからです。

そんな方たちのために、今日は一つ具体的な事例を使って、効果的なストーリーの使い方をご紹介します。例えばフラワーアレンジメントの教室をする人が新しい教室をオープンするとします。最終的な目的は集客、つまりその新しい教室の体験会に来て欲しい、ということです。そして、教室はパリのアパルトマンを想像させるような、木の窓枠の出窓のあるアンティーク調の素敵なお部屋。

その時、たとえば「この度新たに教室をオープンしました。そのお教室は今までの教室とは違い、パリのアパルトマンを連想させるようなアンティーク調の可愛いお部屋です。こちらで体験レッスンも実施しています。是非一度、遊びに来て下さいね。」

このように伝えたらどうでしょうか?決して、悪くはないでしょう。でも、何と言うか、最初の「掴み」が「新教室をオープンした=集客」となり、レッスンを受ける気がない人は冒頭の「新しい教室」の時点で話を聞いてくれないかもしれません。

一方、ストーリーを入れて話すとこんな感じです。

「10年前、私はとある仕事でパリに滞在しました。数週間という短い期間でしたが、その時のアパルトマンのお部屋が大好きでした。特に出窓から見える緑豊かな公園の景色がホッと心を落ち着かせてくれ、一瞬で心を奪われました。仕事で疲れても、そのお部屋に帰ってくると、『私の場所だ』と思わせてくれる空間で、とても居心地が良かったこと10年後の今でも鮮明に覚えています。

そして、私が今回新たにフラワーアレンジメントの教室を探している時、そのパリのアパルトマンを彷彿とさせる素敵なお部屋が偶然にも私の目の前に現れました。最初にその部屋に足を踏み入れた瞬間、私は再び当時のパリでの思い出が蘇ってきたのです。

こちらの新しい教室で今度、体験レッスンを開催します。私のパリのアパルトマンへの思いを込めたこのお部屋を、一度訪れてみませんか?」

集客を目指す中で大切なことは、「なぜ」を伝えることです。「なぜ」その仕事をしているのか、「なぜ」その店を開いているのかを理解することで、人々は自然と共感を覚え、自分から訪れたくなるのです。

ここで大切なのは、最終的な目的がたとえ「集客」であったとしても、ストーリーで「直接集客をしない」ということです。あくまでも、あなたがパリで見た、思い出のアパルトマンのお部屋をイメージ(疑似体験)してもらい、そのお部屋を再現した空間に「行ってみたい」という「共感」を得ることです。決してダイレクトに「新しいサロンをオープンするから来て下さい」とは言わないことがポイントです。

もちろん、これはサロンを運営する中で「新しい教室」の紹介なのですが、サロンそのものを紹介する時には、経営する側の「理念、思い」を伝えた上で、「なぜこの仕事をしているのか?お店をやっているのか?」を説明できると良いですね。

以前、「ゴールデンサークル理論」について書いた時にもお伝えしましたが、「何をやっているか」ではなく、「なぜやっているか」を最初に伝えるべきなのです。そして、そこに「共感」してくれた人は集客をしなくても、自分からお客様として訪れて下さいます。

次回、もしあなたが「集客」する機会があった時、このことを意識してみて下さいね。

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この記事を書いた人

米・ニューヨーク在住。ストーリーを使った「ストーリートーキングⓇ講座」認定講師。スピーチコミュニティ「伝わる!スピーチ道場」主宰。
こちらのブログでは「ストーリーテリング」、「スピーチ」を中心に、書くことで人の強みを発掘し、話すことで相手の心を掴む話し方、をテーマに書いています。

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