ストーリーテリングについて語るブログ

まさか私が?~骨折体験記@NY(その5)

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InstacartとUber Eats

術後の最初の2、3日は痛みとの戦いでした。痛み止めを飲んでも完全には和らがず、次の服用時間まで我慢できずに飲んでしまったことも…。ようやく薬なしで過ごせたのは3日目の夕方頃。キッチンに立ち、骨折した方の膝を乗せる椅子を配置して料理をする余裕が出てきた時、「ああ、よかった!」と実感しました。日本から電話をかけてきた母は、そんな私の姿を見て驚いていました。日本ならまだ入院中の時期なので、それも無理はないですね。

怪我をして一番困ったのが買い物でした。Oさんや職場の方々が「何か必要なものがあれば言ってね」と声を掛けてくれましたが、頻繁に頼むのはやっぱり気が引ける…。そんな時に本当に助けられたのが、Instacartなどの買い物代行サービスでした。

Instacartとは?

日本にはまだありませんが、仕組みとしてはUber Eatsの買い物版のようなもの。専用のアプリやウェブサイトで、好きなスーパーを選び、必要な食材や日用品を注文すると、マッチングされた人が代わりに買い物をして届けてくれます。

🛒 Instacartの魅力を書きます。
お店の選択肢が豊富(Whole Foods、Trader Joe’s、Costcoなど)
生鮮食品から日用品まで幅広く対応
重たいもの(お水や洗剤など)を運んでくれる

怪我をして動けない私にとって、このサービスは本当に神!特に重たいお水や洗剤の買い物は人に頼むのも気が引けるものだったので、Instacartの存在には非常に助けられました。さらに、定期的に食べたい野菜や果物などもスムーズに手配でき、「買い物に行きたいのに行けない」ストレスから解放されました。

「マンハッタンの中心に住んでいるのに、一歩も外に出られない」という閉塞感…。そんな中で、Uber Eatsの存在も大きな救いになりました。

以前の私は「食事のデリバリーを頼むくらいなら、(配達料が勿体ないので)自分で取りに行く派」でしたが、いざ外に出られない身になってみると、いろんなお店の料理を届けてくれるこのシステムのありがたみを痛感。

こうしたサービスのおかげで、「外に出られない」ストレスがかなり軽減され、少しずつ気持ちも前向きに。困った時に支えてくれる仕組みがあるって、本当に大事だなと実感した日々でした。

「ニースクーター」との出会い

痛みが落ち着くと、次に「どうやって快適に動くか」を考える余裕が出てきました。家の中では車椅子で移動していましたが、毎回座り替えるのが面倒…。そんな時、術後にPTの先生が教えてくれた「二―スクーター」の存在を思い出しました。既に松葉杖も車椅子も持っているし、1ヶ月ちょっとしか使わないであろうものをこんなに買ってしまってよいのか?と悩みましたが、それでもすぐ購入を決意しました!ちなみにお値段は100ドル(約15,000円)前後といったところです。

日本ではあまり見かけませんが、NYの街では時々見かけるこのスクーター。膝を乗せて移動でき、車椅子よりもコンパクト、松葉杖よりも安定感があり、まさに良いとこ取りのアイテムでした。結果的に、荷重の許可が下りるまでの6週間で一番活躍したのがこのニースクーター。家の中はもちろん、マンション内の移動もスムーズで、洗濯物を持って地下のランドリーまで行くこともできました(ただし、一歩外にでると段差があるので気を付けて移動する必要がありました)。

恐らく骨折をして、私ほどこうしたグッズに投資する人も珍しいでしょう。一人暮らしでなければ、ここまでやっていなかったかと思いますが、この時期は「少しでも生活の質を上げてくれるものなら」、投資を惜しみませんでした。

ニースクーター↓

とにかく動きたい!

「とにかく1日も早く回復に向けて動き出したい!」という気持ちでいっぱいだった私。主治医の先生の話では、私のような足首の骨折の場合、手術後6週間は安静が必要で、歩くことはNG。PT(理学療法士のいるリハビリ施設)でやるリハビリは術後2週間で診察があり、その時にオーダーが出るとのこと。

でも、私はそれまでじっとしているのは耐えられなかったのです。そこで、YouTubeでギプスやブーツをしたままでもできる運動を検索。すると、コアを鍛える運動や、ギプスをした足を上げ下げするエクササイズなど、意外とできることがたくさんあることが分かりました。もちろん無理は禁物。でも、少しでも体を動かすことで「自分にも回復のためにできることがある」と感じられ、前向きな気持ちになれました。

何より、「骨折したことで弱ってしまったり、一気に老け込むことだけは避けたい!」という気持ちが強かったです。むしろ、「怪我をする前よりも良い状態で復活したい!」そのくらいの気持ちでいました。転んでもただでは起きたくなかった(笑)。

再びジムへ

実は、皮肉なことに、骨折の2週間前から地下にあるジムに行き始めたばかりでした。友人が遊びに来た時、「せっかくこんな良い施設があるんだから使わない手はないよ」と言われ、夕食後に運動していたのです。その流れで、部屋にヨガマットとストレッチポールを置きっぱなしにしていていたのが災いした今回の骨折でした…。

でも、ニースクーターを手に入れたことで、ジムにも行く勇気が出てきました。マシンのあるエリアにはまだ行けませんでしたが、隅のベンチに座ってダンベルを使ったトレーニングをしたり、ヨガマットを広げ、その上でできる運動をしたり。

ジムには若くて美意識の高い人たちが多く、そんな環境にいることも刺激になりました。普通なら「怪我が治るまで安静にしよう」と考えるところなのかもしれませんが、「動ける範囲で動く」という選択をしたことで、回復への意欲もさらに高まった気がします。そんな中にスクーターでヒョコヒョコ移動する私がどう映ったのかはわかりませんが…。

今思うと、この時は体力の回復を目指すことで、精神とのバランスを取っていたのだと思います。ともすると「なぜ、こんなことが起きてしまったのだろう」と後ろ向きになってしまいがち。でも、運動をしていれば、自分の気持ちを下げないでいられる、無意識のうちにそんなことを感じていたようです。

次回はメンタル面の変化などについて書きます。

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この記事を書いた人

米・ニューヨーク在住。ストーリーを使った「ストーリートーキングⓇ講座」認定講師。スピーチコミュニティ「伝わる!スピーチ道場」主宰。
こちらのブログでは「ストーリーテリング」、「スピーチ」を中心に、書くことで人の強みを発掘し、話すことで相手の心を掴む話し方、をテーマに書いています。

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