これまでに5 回「伝わる!スピーチを作成する」
ㅤ
さて、今回が最終回です。今回は「伝わる話し方」についてお伝えしたいと思います。これまではスピーチの「中身」のことを中心にお伝えしてきましたが、「話し方」について書くのは初めてですね。
会場と、聴衆と繋がる
スピーチをする上で、まず意識をしていただきたいのは「会場と、聴衆と繋がる」ということです。スピーチであっても、会話と同じで「人と人とのコミュニケーション」であることには変わりはありません。だから、いきなり話し始めないで欲しいのです。
ㅤ
まず壇上に立ち、会場を見渡し、会場の人と「繋がる」ということを意識しましょう。自分がこれから何を伝えようとしているのか、聞き手に何を受け取って欲しいのか、話し始める前に、もう一度それを考える時間を取ってみて下さい。
「お腹のポジション」で話す
「お腹のポジション」については以前こちらに詳しく書きました。
言葉には「3つのポジション(頭、胸、お腹)」があり、多くの人は無意識のうちに「頭(唱えているだけの言葉)」や「胸(うわべだけの言葉)」のレベルで話をしてしまっていると言います。一方、「腹落ち」「腹に一物ある」という表現に代表されるように、「お腹」のポジションはその人が「本心が考えていること」を伝える時に使われるポジションです。そのことを意識して、あなたが伝えたい内容をしっかり自分の中に落とし込み(腹落ちさせて)、語ることで、人への伝わり方がグンと変わってきます。
「具体的にどうやって?」と思われるかもしれませんが、まずは日常の挨拶から初めてみませんか?普段何気なく発している「おはようございます」、「ありがとう」、「お疲れ様でした」などの挨拶、本当に「心から」発している言葉でしょうか?24時間体制で意識するのはなかなかしんどいですが、時々意識してみると、いかに無意識のうちに発している言葉が多いかに気づかれると思います。
この「お腹のポジション」については元劇団四季の佐藤政樹さんの本『人を惹きつける話し方』に詳しく書かれていますので、良かったら是非読んでみて下さいね。
その他、話し方について、他にも気を付けるべきことは色々ありますが、詳細はこちらをご覧下さい。
まずは「会場、聴衆と繋がる」と「『お腹のポジション』で話す」の2つを意識してみて下さいね。それだけでも、あなたの言葉が「原稿」から「生きた言葉」に変わっていきます!
スピーチは難しくない!
以上、これまで6回にわたり、「伝わるスピーチの作り方」についてお伝えしてきました。
まずはスピーチを以下のプロセスで作成してみて下さい。
①スピーチの目的は何かを設定する。
②話のもととなる原体験を振り返る。
③一番伝えたいメッセージ(ワンメッセージ)は何かを考える。
④感情や五感、その時の情景などを具体的に描写する。
その上で、今回の
⑤会場、聴衆と繋がる。「お腹のポジション」で話す。
を意識してスピーチをしてみてくださいね。そうすると、あなたのスピーチは各段に伝わりやすく、聞き手の心に届くものになります。
そして、そのスピーチを
⑥別のメッセージにして伝えてみる、自己紹介、投稿、集客などに活用する。
ということをすると、「一粒で三度おいしい」体験ができます!
「人前で話すのは苦手」、「スピーチの原稿を考えるのは億劫だなぁ」と今まで苦手意識を持っていた方も、このプロセスに従えば無理なくスピーチができますし、その後も活用ができますよ。是非、お試しあれ!
私が主宰している、スピーチを練習するコミュニティ「伝わる!スピーチ道場」では現在10月20日~スタートする「第二期」のメンバーを募集しています。ファシリテーターはプロシニアを広げる活動など、複数のコミュニティを主宰されている神野和俊さん。こちらは4ヶ月間かけて、ワークショップや私との1on1を通じ、一人一人の「オンリーワンのスピーチ」を作り上げていきます。毎月2回の練習会や最後の発表会を通じて、「話す場」も提供します。話す内容、話し方、両面を鍛えて、「自分に向き合う4ヶ月間」を過ごしませんか?
コメント