ストーリーテリングについて語るブログ

1分の話を3分にするには?

前回は「出来事―気づき―行動」というフレームワークを使って、1分で印象的なスピーチを作る方法をご紹介しました。実は、このフレームワークをベースに、ストーリーを加えていくと、自然と3分スピーチを作ることができます。

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今日は、そのコツについてお話しします。

3分スピーチを作る3つのポイント

1. 「出来事―気づき―行動」を深掘りする

基本のフレームワークに、具体的なストーリーを加えていきます。例えば「雨の日に見つけた古書店」「近所の方との挨拶」など、具体的な場面を入れることで、聴衆がイメージしやすくなります。

前回の私の徒歩通勤の例で説明すると:

出来事の深掘り: 「引越しをして徒歩通勤になった」という事実に、もう少し詳しい状況を加えます。例えば「先月引っ越して徒歩通勤になったんですが、最初は、ただジグザグと信号が赤になる度に道を変えていました。でも、毎日少しずつ違う道を通るうちに、本当に興味深いお店やレストランがたくさんあることに気づいたんです。それからは毎日少しずつ違う道を試すようになって…」という具合です。

気づきの深掘り: 「街の様子がよくわかる」という気づきも、より具体的に。「実際に歩いてみると、口コミサイトの検索では見つからない素敵なお店や、通りや広場によって少しずつ感じが違うなど、思いがけない発見がたくさんありました。まるで街の新しい一面を見つけたような気分です。」「これまでしていたネット検索では見つけられない発見がたくさんありました。」などというように気づいたことを表現します。

行動の深掘り: 行動も具体的に。「今では休日に、こうして探したお店や場所をゆっくりと訪れることが楽しみになっています。」「先日も、偶然穴場的な屋上公園を見つけました。そこに上ると空が広くて~」というように聞き手がイメージできるように説明します。

2. 聴衆の共感を誘う言葉を入れる

話の中に、こんな言葉を織り交ぜてみましょう:

  • 「皆さんも、こんな経験ありませんか?」
  • 「私たちってついつい、〇〇してしまいますよね」
  • 「これって、□□の時にも同じかもしれません」

たとえば徒歩通勤の話なら、「これまではネットでお店を調べて出かけていました。でも、実際に行ってみると思いがけない発見がありました。これって、新しいことを始める時も同じかもしれません。」というように、聞き手の日常に結びつけられます。

3. ワンメッセージを一段階抽象的に

最後の「行動」の部分では、具体的な行動とメッセージを組み合わせます。「これからも色々な道を歩いてみようと思います」というようなものから、「私たちはついネットで『正解』を探そうとしがちです。でも、実際に歩いてみる=行動してみることで新しい発見が始まります」のように、街歩き以外にも応用できる抽象的な表現をすることで、どんな聞き手にも共感してもらうことができます。

このように、具体的な行動(実際に歩いてみる)とそこから一段抽象化したメッセージ(行動してみることの大切さ)を組み合わせることで、より印象に残りやすくなります。

ここまでの話を3分に広げるとこんな風になります:

「先月、引っ越しをして電車通勤から徒歩通勤に変わりました。最初は、ただジグザグと信号が赤になる度に道を変えていました。でも、毎日少しずつ違う道を通るうちに、本当に興味深いお店やレストランがたくさんあることに気づいたんです。

それからは毎日少しずつ違う道を試すようになって。実は今まで、新しい場所に行く時は必ずネットで調べていたんです。でも、実際に歩いてみると、口コミサイトの検索では見つからない素敵なお店や、通りや広場によって少しずつ感じが違うなど、思いがけない発見がたくさんありました。まるで街の新しい一面を見つけたような気分です。

今では休日に、こうして探したお店や場所をゆっくりと訪れることが楽しみになっています。先日も、偶然穴場的な屋上公園を見つけました。私だけの隠れ家のようでとてもトクした気分です。気分を変えたい時に、ちょくちょく訪れるようになりました。

私たちはついネットで「正解」を探そうとしますよね。でも、実際に足を運んでみると、予想外の発見や出会いがあったり。これって、新しい趣味を始める時も同じかもしれません。まずは行動してみる。そこから新しい発見が始まるんだと思います。」

話を広げるコツ

3分スピーチのポイントは、基本の流れを保ちながら、具体的な描写や聴衆との共感ポイントを織り交ぜること。特に心がけたいのは:

  • それぞれのパートで具体的な場面を描写する
  • 聞き手も経験がありそうなことを入れる
  • 自分の伝えたいメッセージをもう一段「抽象化」して伝えてみる

皆さんも、まずは1分スピーチを作ってみて、そこに具体的なエピソードや共感ポイントを加えていってみてください。きっと、自然な流れの3分スピーチが作れるようになりますよ。

次回は「心に残るスピーチの締めくくり方」についてご紹介しますね!

いかがでしょうか?具体的な例を使ってみましたが、わかりやすかったでしょうか。もっと詳しく知りたい方は、ぜひコメント欄で教えてくださいね。

実践のためのチェックリスト

ここまでスピーチの内容を考えてきたら、以下の点に注意して下さい。とくに聞き手にとっては「具体例」があるとより話がイメージしやすいですし、「伝えたいメッセージ」がスピーチを通して一貫していると迷子にならずに話について行くことができます。

□ 話の流れは自然か
□ 具体的なエピソードは入っているか
□ 聴衆の共感を誘う言葉はあるか
□ 伝えたいメッセージは明確か
□ 締めくくりは印象的か

明日からできること

1分スピーチからここまでをおさらいしてみます。

1.「出来事ー気づき―行動、そこから得たワンメッセージ」を毎日紙/SNSに投稿してみる。
「今日は〇〇があって、△△に気づいて、□□しようと思った」など、1分で話せるように整理する

2.少しずつ話を膨らませる
具体的なエピソードを加えたり、聴衆の経験に結びつけたりして話を膨らませていく。

3分スピーチのポイントは、基本の流れを保ちながら、具体的な描写や聴衆との共感ポイントを織り交ぜること。毎日の出来事を「出来事―気づき―行動」で整理する習慣をつけながら、少しずつ話を膨らませていってくださいね。次回は「心に残るスピーチの締めくくり方」についてご紹介します!

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この記事を書いた人

米・ニューヨーク在住。ストーリーを使った「ストーリートーキングⓇ講座」認定講師。スピーチコミュニティ「伝わる!スピーチ道場」主宰。
こちらのブログでは「ストーリーテリング」、「スピーチ」を中心に、書くことで人の強みを発掘し、話すことで相手の心を掴む話し方、をテーマに書いています。

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